上がリチャード・ギア、下がトム・クルーズ

母はよく言っていました。

｢パパはね、パパはね、顔の上半分が、リチャード・ギアなの！それでね、顔の下半分がトム・クルーズなの！ほら、見て！かっこいい！｣

「ひとりで二人分のかっこよさを持っているというのはなかなかすごいなあ」と子どもながらに思ったりしていました。

上がリチャード・ギア

愛と青春の旅だち : 作品情報 - 映画.com

下がトム・クルーズ

トップガン : 作品情報 - 映画.com

完全に一致！！！！

…とはならないものの、「なるほど言いたいことは分かる」というくらいには似ていました。

母が頬に手をあてながら嬉しそうに話しているのを見ているうちに、

「だんだん上がリチャード・ギアで下がトム・クルーズの顔に見えてきた！パパすごい！パパすごい！」

となりました。

親子って、似ますよね。似ていきますよね。

父がかっこいいということを嬉しそうに語る母と、照れ隠しで｢はいはい｣と言う父の、ふたりの関係がすごく好きでした。

気持ちは言葉にしなければよく伝わらないし、良い言葉は繰り返すことで強化されていくんですよね。

｢好き｣という気持ちも、｢大事にしている｣という気持ちも、内に秘めているだけではだめで。

言霊といいますか…

｢好き｣、｢ありがとう｣、｢嬉しい｣、｢幸せ｣、｢おいしい｣、｢楽しい｣、｢面白い｣などなど、こういう言葉は、たくさんたくさん、声に出していくように心がけています。

みんなの気分が上向きになりますからね。

「あまり言いすぎると翌朝リチャード・クルーズになってしまうから、パパがパパでいるためにも今日はこの辺にしておこう」

そう言って引き際を大事にする母が、今日も大好きです。