愛で潤して、毒を吐き出した
子供のころ、父が洗面所で水道を出しっぱなしにしていることがよくあった。
出しっぱなしにしながら鏡の前で歯磨きをしたり、ひげを剃ったり。わたしはそれを見るのがどうも不快で、よく父の前に手を伸ばして蛇口を止めるために、わざわざ洗面所に向かっていた。
もったいないし、ただ流れていく水が可哀想だと思った。その気持ちと同じように当てはまるのが携帯の充電だった。もちろんそのころはスマホではなく、パカパカケータイで、メールアドレスがVodafoneやezwebだった時代だ。
数字がど