1996
アルバムの名前である。
発表当時「これ以上のアルバムは出ないだろう」と思った教授の集大成
(言い切った)。
ピアノ・チェロ・バイオリンのトリオによる新旧含めた代表曲を集めた
アルバム。
ピアノ一本の淡々とした感じやオーケストラの奥行きを感じる演奏と違い、トリオになると親密な空間での温度上昇と熱を感じる作品だなと感じた。
……または荒野にぽつんといても熱を帯びている感じ。
オーチャードホールのライブに行けたのはとても幸運だった。
購入後10年はプレーヤーに突っ込みっぱなし。散々聴いた。
結婚後、久々に聴こうとCDケースを開くが中身のCDが行方不明。
以後10年近く未だ見つからず(妹も持っているのでいずれ音源頂戴する)。
――いきなりこんなこと書いたのは、録画消化で教授の演奏を見終えた後
散々聞き倒した1996を思い出してノスタルジーに浸ってしまったからだ。
昨夜、編み物の作業用BGM代わりに上記の録画を聴いていたのだが
1996の収録曲とかぶっっていたこともあり、しばし聴き入っってしまった。
トリオで聴いた四半世紀後のピアノ一本の演奏は
音の重なりは(当然)少なく、ピアノのタッチも強いわけでもないが
間(空気)が音になり、同じ曲でも別の表情を垣間見た演奏だった。
闘病中でしんどい中簡単ではないが、自分と向き合い
今やりたいことを真摯に表現し、音を楽しんでいるのだなと感じた。
しばらく録画は消せない。