世界の見方が180°変わった瞬間
アメリカのリベラルアーツカレッジ(略称:リベカレ)、アーラムカレッジに通って2年が経ちました。リベカレでは、入学時に学部を決める必要がなく、2年間好きな授業を取ることが出来ます。この2年間、様々な授業を取って、ようやく「これだ!」と思える授業に出会い、平和学(Peace and Global Studies)という学部に決めました。
今回は、この決め手になった授業である "Global Dynamics & World Peace" について、出来るだけ嚙み砕いて説明していきます。(分かりにくい部分あれば、ぜひ指摘してください!どんなコメントでも励みになります :)
平和学とは
まず「平和学」ってどういう学部?という問いなのですが、一言でいうと、文字通り、「公正で平和な世界を構築するための教養を学ぶ学問」だと私は捉えています。(大学の説明サイトはここから)
といっても何かすごく難しそうに感じるのですが、「そもそも平和って何だろう?」「公正とは?平等ってどういうこと?」「どこまでが自由で、どこからが暴力?」などの問いに向き合っていきます。
例えば、AさんとBさんが喧嘩していたとします。
それを見ていたひとりとして、あなたは何を考え、行動しますか?
「気まずい空気を元に戻すために、早く仲直りさせた方がいいな。」
「このままだと、さらに激しい喧嘩になりそうだから、近くの誰かに助けを求めよう。」
「大した喧嘩ではなさそうだし、そのままにしておこう。」
人それぞれ、様々なパターンがあると思います。しかし、これら全てには共通点があります。それは、この喧嘩を目の前の事象として捉えていることです。
平和学では、なぜAさんとBさんは喧嘩しているのか、喧嘩するに至ったのか、さらに言えば、AさんとBさんを喧嘩させてしまった環境や社会、それを創り上げた歴史や経済、思想はどのようなものかを考えます。目の前の喧嘩を見ていても可視化されていない、目に見えない、でも喧嘩の根本となった部分を学んでいきます。(授業ではこれを国家間、民間や企業などのレベルでも取り上げます。また、今回の例は喧嘩でしたが、必ずしも何かしらの対立である必要もありません。)
という感じなんだけど、まだすごく堅苦しい感じでしか説明できていない気がする…(笑)ということで、ここからは自分の実際の経験も踏まえながら、平和学のある授業について紹介していきます!
Global Dynamics & World Peace
これは、一瞬で当たり前が当たり前じゃなくなった授業。
さらに言えば、大学2年間で取った授業の中で一番痺れた、かつ最もチャレンジングだった、改めて学ぶことの楽しさを思い知らされた授業です!
U字型の授業
まず教室に入ると、教授がこの授業について説明してくれた。
教授:「この授業を受ける4か月間、あなた達のメンタルはU字型になるように設計されています。」
生徒:「どゆこと??(What do you mean…) 」
教授:「世の中の様々な物事を、歴史・宗教・哲学の人文知、経済、国際関係、言語などを使いながら、社会構造から学んでいくと過程の中で、あなたは一度、この世界に絶望するかもしれません。そういう意味で、メンタルが一番ドン底に落ちるのは、3月中旬くらいだね。でも大丈夫。あなたがこの授業を受け終わったとき、必ず希望を持っていることでしょう!(U字型の右端の部分)」
生徒:「いやいや、怖!」「どんな授業やねん!」「絶対私、U字の凹部分長いわ~」
教授:「どんなU字になるかは、人それぞれです☻」
授業は、教授から紙切れ一枚を配られるところから始まった…
(続きは次回!!)