初めての田舎暮らし#1
私は愛知県に生まれ育ち、今は人口数千人規模のとっても小さな村にいます。
ここに来るに至ったのは何十年と連絡を取り合っていなかった父親が深く関係しています。
その父親も愛知県で生まれ育ち、長い間そこで生活をしていました。
ですが、父親にはASDとADHDという発達障害があったのです。
それを知るに至ったのもこの数年の話ですが、当時は特に生きずらさを感じていたようです。
例えば教科書を丸暗記できたりや耳が異様に良かったり、かと思えば男女の区別もできないほど人の顔の認識が難しかったりなどの極端にできることとできないことの振れ幅が大きかったのです。
その特性を都会の中では活かすことは難しかった為、また半分逃げも含めて全然環境のちがうこの村に飛び込んできてたのが父親の状況でした。
父親がそんな生活を始めた2年目の頃に私は父親と連絡を取り始めました。
たまたま父親の名前をネットで検索した際にヒットをし、そこから連絡をとりはじめたのがスタートです。
そして1年間はただ連絡を取り合うだけの関係が続きました。
ただその時に父親はずっと「どうしようもなくなったらこっちに逃げておいで」って言ってくれていたのです。
私にはその言葉がどんなに救われたかわからないです。
私も父親と同様発達障害であるという診断を受けています。
私の場合は、父親と比べると人より苦手なことが少し多いくらいのとても軽度のものですが、生きずらさを感じていたのは確かです。
そんな時に父親のそのセリフを信じて飛び込もうと考えたのです。
そうして地元の愛知県で築き上げたひとり暮らしの家や車、仕事や友達、土地勘といった全ての物を手放してはじめた田舎暮らしが始まったのです。