語学オタクのアラ還主婦が未来のためにリースを作る理由
小さい頃、自分が着る服はほとんど母が手作りをしてくれていました。ブラウスやスカートやワンピースなど、どんなものでも母が作ってくれました。
2歳違いの妹とはよくお揃いの洋服を着ていたように思います。姉の服を妹が羨ましがり、妹のそれを姉が欲しがる。母は二人が喧嘩しないようにいつもお揃いにしてくれていたんだと思います。どちらかの服が先にできてしまわないように、同時に出来上がるように工夫してくれてもいました。
私たち姉妹が大学生になっても母に頼んで様々な洋服を作ってもらっていました。流行りの洋服などは高くて手が出ないので、それっぽいデザインのものを頼んでいたものです。
この頃にはさすがに洋服の趣味が姉妹で異なっていたので、お揃いのものを着ることはなかったのですが、洋服の貸し借りをして「ワードローブが2倍になるね」などと笑い合っていたものです。
妹は就職してから数年後に、縁あってカナダ人男性と結婚し海外での暮らしを始めました。カナダからドバイへ、そしてまたカナダへ。彼女が海外に住んでいた間、私は子育てに忙しく、妹に会いに行くことはありませんでした。数年に一度彼女たち一家が日本に来た時に会えたくらいです。
その妹は14年前にカナダで亡くなりました。
実家には彼女が若い頃に来ていた洋服が何着か残されていました。デザインも古くそのまま着ることは無理そうです。
でもどうにかならないだろうか・・・。捨てたくない。
そこで、洋服をほどいて1枚の布にし、それを使って布花でできたリースを作ることを思いつきました。
ローストチキンレッグについている飾りのような花を布で作り、たくさん集めてリースの台に貼り付けるとお花のリースができました。
妹が来ていた洋服が生まれ変わりました。
これなら仕舞い込んでおく必要もありません。いつでも眺めていられます。妹を近くに感じることもできます。
思い出の布をリースにして飾ることができたら、不要になった洋服や布地を捨てることなく活用することができます。新しいリサイクルの形としてこうした布を使えれば、ゴミも少しは減らせるのではないでしょうか。
色んな思い出話にも花が咲くことでしょう。
私はこれからもいらなくなった布でリースを作り続けます。これが未来のために私ができることです。