御代田(みよた)という語の意味を考察②「御」の意味を考察
今回から御・代・田の漢字を1文字づつ分解して深掘りと独自解釈をしてみましょう。今回は「御」の意味について考察したいと思います。
御は神を迎える
「御」は、馬などの乗り物を操る・制御する語であり、すべる、統御する意味をもちます。御という漢字の構成は、左にぎょうにんべん、午と止が中央に、右にわりふがあります。御という漢字は、午という字を中心に描かれています。
なるほど、御は制御の御ですね。
でも制御するという意味であると同時に、”天子に対する敬語であったり、敬意を示す語”でもあります。
なぜ”制御する、(馬を)てなづける”という意味の「御」が、敬意をあらわすようになるのでしょうか。
「いうことをきかぬものを制御する」というところがヒントになりそうです。漢字語源辞典ではこのようにつづきます。
禦は、「ふせぐ。こばむ。おさえる。抵抗する。とどめる。」という意味で「禦ぐ」と書いて「ふせぐ」と読むけど、「禦い」と書いて「つよい」とも読みます。強くて畏れ多い存在をなんとか抑えたいという感じの字ですね!
なんとなく御には畏多さに対するものという雰囲気を感じるのは、やはり午という字に関係するかもしれません。
「御する」という言葉の意味は、
①馬や馬車を巧みに扱う
②他人を自分の思い通りに動かす
③統治する
という意味で、①②③はつながりがあり、コントロールしたるわーというニュアンスがあるけど、
④天皇などがお出ましになる
の意味もあるんです。
なぜ④で天皇などがお出ましになるにつながるのでしょう!
畏れ多い存在がお出ましになる、つまりみえただけで「は、はー」っとその威光により制圧するという感じでしょうか。
実は、漢字の語源、もともとの意味は「神の前に進み出てひざまずき、神を迎える」ことを意味する漢字だそうです。
「御」は、神の前に進みゆき、立ち止まり、ひざまついていき神を迎える姿であるとのことですが…
午が「きねの形をした神形」というのがどうもしっくりいきません。
キネ?神?
交叉する「午」
午についてもう少し調べてみましょう。
「午」という字は「五」ととても近い字で、ともに交わっている交叉している姿からきているそうです。
五は、行き来して交わってますねー!
では午はどうでしょう。
午とは、複数人がかわるがわる手にして餅をつく、交互になる意味をもっているのです。
かわるがわる交叉するとは、あうんの呼吸で餅をつく人と手をいれる人が交叉するという意味もあるかもしれません。
また陰陽がいれかわる時刻(12時)を午の刻といい、午より前は午前、午より後を午後といいます。
陰と陽が交叉しているのです。
しかし、交叉を意味するキネが神形という意味は…?
何が交叉しているのか?
もしかして神?
やっちまいましたか!?
交叉とは神と人間の交叉なのかもしれません。
「御する」とは、制御するという意味や、天皇などがお出ましになるという意味がありました。
「御」が威光で制圧するというような意をも含むようになった背景には、
「御」には、神を自分のなかに迎えいれ交叉する姿、転じて、そういう存在(内なる神と自分が交叉する神がかり的な存在)
がイメージされたからではないでしょうか。
そう考えると御という字はなかなか面白い字ですね。
(とり)
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