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つぶやき 令和の米騒動と台湾米(台湾米)
なかなか「文字を持たなかった明治」に戻れないまま年を跨いでしまった。が、もう少しつぶやく。年内から書く準備をしていた台湾米について、だ。
日本中が混乱し不安になった「令和の米騒動」。昨(2024)年の夏頃スーパーなどから一斉にお米が消え、かろうじて手に入るお米はどれも高額だった、あの出来事だ。新米が出揃う季節を過ぎ、農林水産省が当時アナウンスしたように、なるほど供給量は安定してきた。売り場には従来と同じような銘柄のお米が積まれている。
しかし農水省の言に反して価格は高止まりだ。感覚的には以前より70%くらい高いと思う。手ごろな価格のお米はまず見当たらない。いわゆる標準米はまったく見かけない。
そんな中、台湾米を大手流通の西友が扱うようになった、というニュースをインターネット上で見かけた。記事は、お米の価格が高止まりする中、消費者の手に届きやすいお米を探して台湾米に行き着いたこと、日本と同じジャポニカ種で食味が近いこと、価格は日本米より2割ぐらい安く提供できていること、消費者からも好評であること、などを伝えている。
西友なら近所にある。早速まず価格などの下見をし、手持ちのお米が切れそうなタイミングで購入に行った。
商品名は「むすびの郷(さと)」、価格は5kg袋2,590円(税別)※。同じ量だと軒並み3000円を超えている日本米に比べてたしかに安い。包装には「日本米と同じジャポニカ種、同じように炊いてください。ほのかな香りがあります」といったことが書かれている。原産地は「台湾」とだけで、台湾のどこかまでは書いてない。「複合原料米」ともあり、産地が異なるお米を混ぜてあるように思える。
台湾のお米の産地と言えば東部の池上が有名だ。たしかにおいしい。売っているお弁当で「池上米使用」を謳っているところも多い。ただ池上米でなくても、台湾で米飯を食べていて「おいしくない」と感じたことはないし、日本向けの輸出ならそれなりの品質だろうと期待した。
さて、炊いてみよう。開封したときの「香り」は、まあふつうだ。ぬか臭いとか、逆にジャスミンライスのような香りもない。見た目も日本米と変わらない。ふだんより気持ち丁寧に研ぎ、ふつうに水加減し、浸水時間もしっかりとっていつもの電気釜で炊く。
炊きあがった。第一印象は「ん?」。おいしい(であろう)ごはんにつきものの「ツヤ」がないように思う。蒸らす前にさっくり混ぜるが、感触がちょっとボソボソしている。でもまあ食べてから…。
少し蒸らしてからいただく。食べた印象も「ん?」である。まず、食感もボソボソしていてもっちり感に乏しい。それに甘みに欠ける。大変失礼だが、日本なら標準米でももう少しおいしいのではないだろうか。
おいしくないわけではないが、「すごくおいしいね!」というにはほど遠く「けっこうおいしいよね」というのにも及ばないというか。正直に言えば「また買って食べたい」とはあまり思えない。その印象は、冷凍したご飯を解凍して食べたときさらに強くなった。ボソボソ感が強まるのだ。冷凍期間は数日程度なのに。日本のふつうのお米を冷凍・解凍して食べて、味が落ちると感じることはまれだ。
これはどういうことだろうと、台湾米を買ってからずっと考えている。品種のせいか、台湾あるいは日本での流通や保管方法のせいか。品種はともかく、プロセスの問題なら改善の余地があるのではないか。せっかく日本まで来てくれた台湾のお米なのに「台湾米ってあんまりおいしくないんだね」と思われてはほしくない。(「米騒動」へ続く)
※「むすびの郷」の価格は、本項掲載当初(2024/1/4)税込みと記載していましたが、「税別」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。(本文は訂正済み)