つぶやき 屋久島栗生地区の旧街道
またまた屋久島、それもまた栗生(くりお)の話題。
前項で栗生在住の叔母に案内してもらい、集落を散策したことを述べた。その際旧街道も歩いた。
島の北部から東部を回り、南部までをぐるりとカバーするのがメイン道路の県道だ。一方、島の沿岸部に飛び飛びで存在する集落には、それぞれメインストリートがあるようだ。それが旧街道で、概ね県道より一本海側にある狭めの道だ。
そもそも人が徒歩で、せいぜい牛が荷車を引いていた頃の道だから、狭いのは当然だ。車1台が通れる幅だろうか。
栗生の旧街道では、台湾や、沖縄(こちらは行ったことありません)で見られるような、大きな自然石を積み上げた塀が、部分的だが残っていた。
家屋は当然ながら現代風に改築されているので、必ずしも屋久島特有という印象ではなかったが、周辺の植生とも相まって、南国っぽい雰囲気を醸し出している。
旧街道沿いは、大きな屋敷と、昔は何かの商売をしていたのだろうな、という雰囲気の建物があるが、全体的に静かな佇まいだ。都市部ならシャッター通りに近いかもしれない。
しかし毎年の十五夜の綱引きは、大きな綱をここに横たえて引くそうだ。神事と交流の場は、やはり旧街道なのだ。
車があまり通らない旧街道では、人々が声をかけながら行き交う。生活の匂いが濃い。