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『あたしたち、海へ』

中高一貫の女子校、中3女子が学校で理不尽なイジメによって居場所をなくしていき、2人で心中を図る話。
いじめの描写はなかなか陰湿で、嫌らしく描かれているから、その辺りに敏感な人はちょっと読まない方がいいかも。

女子中学生の強烈な自意識と同調圧力の間の"揺れ"を、限りなく静的に描いていて、逆にその強烈さがつたわってくる。

女が5人以上集まると、それがどんなに"個性的な"集団だったとしても、同調圧力が生まれて、上下関係が生まれて、異様な空気が漂うような気がする。だから、この作品の中にある"悲惨"な出来事は、かなり誇張されているけれど、多かれ少なかれ、どの世代にも当てはまるんじゃないかな。
(男のことはよくわからないので、男にも当てはまるのかどうかは不明)
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短絡的な破滅願望みたいなものは、男女問わず思春期の人間には少なからず存在してるものだと思うし、もはやそれは人生の恥部で、読んでいて(自分のことじゃないのに)恥ずかしくなる。
誰にでも存在しているのに、なぜか共感じゃなくて恥じ入る気持ちになるのは、なんでなんだろう?拒絶反応?
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欲を言えば、いじめの主謀者の視点だけでなく、それに乗っかってる子の視点も入れてほしいのと、結末がちょっと無理矢理感満載なのでもう少し自然な流れを汲んでほしかったなぁ。
中学生に読んでほしいかというと、あまり薦めたくない。が、思春期の女児の親(特に男親)にとっては一読の価値があると思う。
#miyochanbooks
#読書
#あたしたち 、海へ
#井上荒野

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