街で流れるアザーン　イヤホンで流れるBLACK PINK

.سلام

先日10代の女の子と車で出かける機会があり、日本で人気の音楽をかけるよう求められたんだ。

期待外れは承知だが、私が聴くものといえば専ら落語が多くてね。もちろんすぐにチェンジとなり、入船亭 扇橋から始まる私のプレイリストは、アリアナグランデを先頭に、BLACK PINK、セレーナゴメスに変わっていったよ。

ほんの40年前に起きたイランイスラム革命により、服装も音楽も言論も自由が禁止され、簡単に情報が手に入らないようになっていたはずなのに、今やティーンの初恋は遠く離れたジャスティンビーバーなのか。

イランイスラム革命とは、1979年、厳格なシーア派イスラムへの回帰を望む革命部隊が、西欧化を進めたパフラヴィ朝を倒したこと。国号が変わり、イラン＝イスラム共和国となった。

180度変わった生活は、どうやら40年の間でその角度を日に日に小さくしているようだが、変わらないものと変わっていくもののバランスが取れるのは何度なのだろうかね。

今日も外を歩けば、1日5回モスクからアザーンが流れ、「さあみんな、祈りの時間だ。」と、知らされる。

店を閉め、モスクに向かう黒い服を着た人々。

その横を通り過ぎるのは、ピンクの服を着た女の子たちの姿だ。イヤホンから流れたその曲は、

時代の写し絵、BLACK PINKでなかろうか。

お後がよろしいようで。

(※あっ、これは完全にすべっていますね)