自民党総裁選は、結局「大企業従業者比率」ワーストとブービーの都道府県の代表の決選投票になりそうですね、という話。
今週末には自民党の総裁選挙が行われます。完全に部外者なので「誰が有利」とかということは報道等で知る他ないのですが、先週までの報道では、小泉進次郎氏が優勢で2位を争うのが石破氏と高市氏ということでしたが、どうも9月22日時点の報道では、石破茂氏と高市早苗氏の決選投票になりそうだ、という情勢のようですね。
個人的には、日本の地方の中で自分の地元を最も衰退させている石破茂氏が人気なのがよくわからないんだよな、という話。 という記事も書いた通り、日本の都道府県の中で最も大企業従業者比率が低く、「大企業従業者数」が「県庁職員数」の半分にも満たないほぼ社会主義のような地区で、労働生産性が極めて低い農民や中小企業にばらまき、かつ公務員受けしそうなことを言っていれば、自分の選挙には全く影響がない地域の代表の石破氏が世論調査で上位に来ることが不可解でなりません。
それでも、決選投票では小泉氏が上回りそうだし、周りの人間が経済についてしっかりした人が支えれば石破氏よりはましかな、と思っていましたが、急失速しているみたいですね。
変わって上がってきたのが高市氏ですが、実は「大企業従業者比率」という観点でいくと、高市氏の選挙区の奈良県は石破氏の選挙区の鳥取県についで「大企業従業者比率」がワースト2位の県です。
なんとこの2つの県は衰退著しい我が宮崎県よりも大企業従業者比率が低い都道府県です。
地元が大企業従業者比率がワーストの選挙区の石破氏は、金融引き締めを容認すると同時に金融所得課税の増税、法人税の増税を示唆しています。
一方の高市氏は、金融緩和は維持&利上げには反対というスタンスではあるものの、「内部留保使途明示」というような意味のわからんことを言い始めています。
結局、自分の選挙区や「地方の自民党支持者の大部分」には全く影響のない農民・中小企業・老人向けの「大企業たたきのルサンチマン煽り」をしているだけに見えますし、自民党ではそういう候補じゃないと勝てないんでしょうね。
最近、SNSでよく目にするエミン・ユルマズさんなどもおっしゃっていますが、日本の政党はイデオロギーの左右の違いはあっても「経済政策が与党も野党も社会主義」だと解説されていますが、私もそう思います。
自由主義経済の中で「多くの従業員を雇い適正な賃金を払いつつ、努力して正当な利益を上げた企業の税率を上げる」ということは、裏を返せば、「従業員もたいして雇わず、労働生産性や利益を上げる努力も能力もなく税金もそれほど払わない農業や中小零細企業を優遇する」ということでもあります。社会主義者じゃねーか。
日本の国際的な産業競争力の低下が著しく見えてくる中で、そんなことを続けても自由主義経済の下での日本経済の力強い復活はないのではないかと個人的には思いますし、地方にはいきなり巨大企業を移転させるのは無理としても、日本の定義上は大企業に分類される、「中堅企業」をむしろ地方に増やしていくために優遇すべきだと考えています。
でも、それをやると自民党の権力の源泉である「農業や中小零細企業への優遇」をやめることになりますから、なかなかそういう方向には進みそうにはありませんね。
岸田さん続投でいいんじゃね?
タイトル画像は、自民党の総裁選挙のホームページのスクリーンショットです。