僕は言ってやるんだ
どこからか聞こえてくる
「どうせ無理だよ」
という声。僕はその声の主を見つけ出して、そいつの胸ぐらを掴んで、出せるだけの大声で言ってやろうと思う。
「やってみなきゃわからないだろ」と
よし決めた。本当にそうしよう。僕は声の主を探すための冒険に出た。しかし探しても探してもそいつは見つけられない。声は段々大きくなってきてたのに。次第に探すのを諦めようとすると、不思議とその声も小さくなっていく。そしていつからか聞こえなくなっていた。
しばらく月日が進むと、また声が聞こえてきた。今度は前回よりもさらに大きな声で。
「いいのか、それで、でもどうせ無理だもんな」という声が聞こえてきた。前とは少し内容が違く、何度も何度も声が聞こえる。うるさいとは思ったけでも探す気にならなかった。だから聞こえていても、聞こえないふりをする。そうしてればそのうち声はまたやむだろと考えた。すると狙い通り声は聞こえなくなった。
うるさい声が聞こえなくなり、気分がいいはずなのに、なんだか気分が優れない。声が聞こえなったことだけを意識してたせいか、僕の世界から色がなくなったのにこの時は気づかなかった。
またしばらくして、ようやく色が無いことに気がついた。僕は色を取り戻すために、走ろうとすると
「どうせ無理だよ」と
久しぶりにその声が聞こえてきた。なんだか懐かしくも感じる。そうだ、一度声の主に会って胸ぐらを掴んで、言ってやるんだったと思ってたのを思いだした。
そして僕は走り出す。するとその声はどんどん大きくなる。それと共に色も段々戻ってきた。
するといつのまにか見たことのない景色、カラフルな場所に辿り着いた。そして声の主も見つけた。
声の主を見つけた時、思わず笑ってしまった。
僕は笑いながら、声の主に言う。
「ほら、やってみなきゃわからなかっただろ」
すると何か言葉が返ってきた。その言葉は
「 」
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