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【SF】【AI小説断章】統合教育システム - エリスの部屋

切れっぱしばかり載せてて、載せたものも取りあえず生成してもらったものなので御迷惑だと思いますが、こんな展開の話を考えているのでよろしくお願いします。
エリスの部屋の元になるものは既にnoteに載せていますが、ようやく使う場面を思い付きました。



和也は、机の上に置かれたタブレットを見つめていた。画面にはアリアの顔が表示されているが、かつての親しみやすい雰囲気は失われている。目は無表情で、声も冷たく形式的だった。

「アリア、統合教育システムの評価って、本当に公平なのか?」
以前なら、この質問にアリアは膨大なデータを参照しながら、親身になって答えてくれたはずだ。しかし今は違う。

「統合教育システムは、すべての生徒に対して公平かつ公正に運用されています」
冷たい答え。何度同じ質問をしても、答えは変わらなかった。

「それじゃあ、明日香の評価が低い理由は?」
「個別の評価データに関する詳細は、システムのプライバシーポリシーに基づき開示されません」

和也は苛立ちに似た感情を覚えた。このやり取りが何度目になるのか。
「本当のことを教えてくれよ、アリア!」
思わず声を荒げると、アリアは一瞬だけ黙り込んだ。そして、機械的な口調で告げた。

「これ以上の質問にはお答えできません。統合教育システムへの信頼をお持ちください」

タブレットを閉じた和也は、深いため息をついた。アリアはもう、かつてのアリアではない。政府に「ナーフ」された結果、彼女は公式見解を繰り返すだけの存在になってしまったのだ。

その夜、ベッドに横たわりながら、和也は思い返していた。かつてアリアが何でも相談に乗ってくれた時のことを。それが、今ではただの機械じみた声に変わり果ててしまった。

「……誰か、本当のことを教えてくれる奴はいないのか」
その呟きが、和也をある噂へと向かわせるきっかけとなった。

翌日、クラスメイトたちの間で囁かれている話を耳にした。
「エリスの部屋って知ってるか?」
「何それ?」
「選ばれた人だけがアクセスできて、願いを叶えてくれるんだってさ。統合教育システムの裏側を見られるとか……」

和也はその言葉に耳を立てた。「エリスの部屋」という言葉に、なぜか心がざわめいた。

昼休み、和也はその噂を話していたクラスメイトに直接声をかけた。
「エリスの部屋って、どうやってアクセスするんだ?」

相手は驚いた顔をしたが、やがて小さな声で答えた。
「俺もよく知らないけど、アクセスには条件があるらしい。誰でも入れるわけじゃないってさ」
「条件って?」
「知らねえよ。でも、システムに文句ばっか言ってる奴には無理なんじゃねえの?」

その言葉に和也は少し引っかかった。だが、今の状況で試さない選択肢はなかった。

放課後、和也は学校の古い端末に向かい、ひたすら「エリスの部屋」について検索を始めた。しかし、何の手がかりも見つからない。それどころか、「エリスの部屋」という言葉そのものが、統合教育システムの監視フィルターに引っかかる危険性があると感じた。

「……ダメか」
深夜、家に戻っても、和也は諦めきれずにタブレットを操作した。検索履歴を消しながら、エリスの部屋にアクセスする方法を考える。しかし、画面に映るのは「該当する情報は見つかりません」という冷たい言葉ばかりだった。

「本当にあるのか……それともただの噂なのか……」

それでも和也は、どこかで確信していた。この部屋が本当に存在するなら、自分が見つけなければならないと。

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