「英雄」について
「英雄」は2013年5月発行した漫画です。実話を参考にして創作しました。
昭和20年9月、川越村天神。
和子は同じ職場の男性と恋人関係にあったが、彼が既婚者であったことを知る。
男性は既に故郷に帰っていたが、和子は妊娠しており、その子を産む決心をする。ただし一人で育てられる自信はなく、友人である時子の元へ養子にやることにした。
長年子供に恵まれず苦しい思いをしてきた時子夫妻を見かねてのことだった
それがのちに和子を苦しめることになる。
今になって「我が子(茂)をこの手で育てたかった」と思う。
和子はやがて時子を妬むようになり、そんな自分に耐えきれなくなり和子は一人実家に戻る
その後、川越村を伊勢湾台風が襲う
大変な時に茂の側に居られなかった惨めさと、自分がいなくても彼は生きていくのだという思いで、和子は再出発を目指した
その後、茂が家出して東京に行ったり
台風のときに茂を助けた女性が訪ねてきたりと色々ありますが、長くなるのでその辺は割愛します…
時子の死後再び和子は川越村を訪れ、大人の茂と対面する。自分が生みの親だと告げようかどうか悩む。
しかしそのとき茂に時子のことを「自慢の母」だと告げられ、初めて和子は、茂の母が時子だということに気付かされる。
そのあと茂の回想シーンが入り、ラストへ。
こんな感じのストーリーです
「昭和な雰囲気の漫画が描きたい」というのがきっかけでした。
少しでも力強さを出したくて、全部柔らかめの付けペンで描きました。でも背景資料を持ってなくて、画面がスカスカになってしまいました。
あと心情描写が甘い。締めくくり方ももっとどうにかなる。
改めて見るとストーリーやテーマは悪くないし、今の私よりこの時の方が感性は優れている。でも色々惜しい!と思いました。
テーマは「母とは何か」ということです
見る人によっては和子が自分勝手な人間に見えるかも知れません。しかし産む前と産んだ後で我が子に対する思いが変わるのはよくあることではないでしょうか。
また産みの親と育ての親、そして台風のときに助けてくれた命の恩人。
本来そこに優劣はなく、親だから特別というわけではない。子は皆んなで守っていくべきものだと私は思います。
※また茂が生みの母に対しほとんど興味を持っていなかったこと、逆に和子が茂に対してあれこれ思い悩んでいたことなどは、あくまでキャラクター自身の考え方であり、私の考えを反映したものではありません
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