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【J1】ナショナルダービー再来へ!鹿島アントラーズ vs ジュビロ磐田
こんにちは!みやざき潤です。
1990年代後半から2000年代前半にかけてJリーグの覇権を争っていた「ジュビロ磐田」と「鹿島アントラーズ」がJ1の舞台で2年ぶりに対戦することになったため、今回その試合を観に行きましたので記事にさせていただきました!
ぜひご覧ください!
かつてのナショナルダービー!
1993年に日本初のプロサッカーリーグ「Jリーグ」が誕生し、その初年度から「オリジナル10」のJクラブとして存在していた「鹿島アントラーズ」。そして惜しくも初年度の「オリジナル10」クラブにはなれなかったものの翌年1994年からJクラブとなった「ジュビロ磐田」。
30年以上の月日が経ち、クラブ数も60を数える中で過去にも「ダービー」や「クラシコ」など様々なクラブ同士の名勝負が生まれていますが、Jの名勝負を語る上でこの両クラブの対戦を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
Jリーグ4年目となる1996年に鹿島アントラーズが悲願の初優勝を飾ると、その翌年の1997年に史上初のオリジナル10以外のクラブとしてJリーグ王者に輝いたジュビロ磐田。その後も両クラブの「2強時代」が続き、7年間その両クラブ以外の王者が現れることはありませんでした。
1996年 鹿島アントラーズ
1997年 ジュビロ磐田
1998年 鹿島アントラーズ
1999年 ジュビロ磐田
2000年 鹿島アントラーズ
2001年 鹿島アントラーズ
2002年 ジュビロ磐田
日本代表が初めてワールドカップへ出場を決め、2002年には日韓ワールドカップも行われ、当時代表の「海外組」が少数派だったこともあり両クラブに代表選手も多く「ナショナルダービー」と言われることも多かったこの対戦カード。
※Jリーグ公式YouTubeでもベストマッチの1つにあげられています。
ですが、2003年に横浜F・マリノスが「2強時代」に終止符を打ち、1995年以来のJ1王者に輝くとその後は両クラブ対照的な歴史を辿ることになりました。
鹿島アントラーズは、5年間手に届かなかったものの2007年に大逆転でのJ1王者に輝くとそこから史上初のJ1リーグ3連覇を達成し、Jリーグ最多の8度のJ1王者に輝き「常勝軍団」として今なお存在しています。
一方のジュビロ磐田は2002年のJ1王者以来20年以上J1リーグ王者に輝くことはなく、主要タイトルも2010年にナビスコカップ(現:JリーグYBCルヴァンカップ)を獲得するのみとなり、2013年にはクラブ史上初のJ2降格まで経験することになりました。
そして初のJ2での戦いとなった2014年はGKでのヘディング弾でJ1昇格の夢が絶たれると昨年までの10年間で半分となる5年間をJ2の舞台で戦うことになり、通算3度ずつの「J1昇格」・「J2降格」を経験し「エレベータークラブ」と評されることも多くなっていました。
そのため、2000年代前半以降徐々に両クラブの対戦を「ナショナルダービー」と評することは少なくなり、20年以上経った今では両クラブのサポーターもこの対戦カードを特別視することもあまりなくなっています。
※個人的にはそれも勝負の世界なのでそれが悪いことだとは思っていません!
しかし3度目の「J1昇格組」として2年ぶりに「ジュビロ磐田」が訪れる県立カシマサッカースタジアム。試合前から「クラシコ」の一つとして煽り動画をSNSでもアップしていたりと、特別感を醸し出してくれている「鹿島アントラーズ」の姿がありました!
過去への思いにふけるのでは、新たな歴史を刻むための第一歩となる試合がいよいよ始まりました。
刻め、新たな歴史を。
— 鹿島アントラーズ (@atlrs_official) March 24, 2024
3/30(土)『CLÁSSICO 3』第1戦
vsジュビロ磐田 15時キックオフ#antlers#鹿島アントラーズ#CLÁSSICO3
チケットはこちら:https://t.co/7I7Uzpp3yY pic.twitter.com/oavAJyfFyq
鹿島 vs 磐田 キックオフ!!
「常勝軍団」が近年最も苦手としている相手と言っても過言ではなかった「川崎フロンターレ」に前節リーグ戦で9年ぶりに勝利し、9度目のJ1王者へホームで連勝を狙う鹿島アントラーズ。
そして3月初日に行われた第2節のアウェイ川崎フロンターレ戦で衝撃的な4得点を叩き込んだジャーメイン良選手の活躍もあって「J1復帰後」初勝利をあげたもののその後連敗をしてしまい3連敗は避けたいジュビロ磐田。
スタジアム近辺には鮮やかなピンク色がまもなく迎える春の訪れを告げる中、迎えた試合。
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デビュー戦となった開幕戦から早速ゴールを決め、早速フィットしている期待の新戦力FW #7 チャヴリッチ選手らが順当にスタメン入りしている鹿島に対して2週間の中断期間があったジュビロ磐田は連敗ストップへMF #16 レオ ゴメス選手が開幕戦以来のスタメン復帰をし、FW #99 マテウス ペイショット選手が加入後初スタメンを飾り、テコ入れを図ります。
J1復帰初戦となった開幕戦ヴィッセル神戸戦では完敗を喫していたアウェイチームは成長した様子を見せ、鹿島相手にもサイドの連携から連携から数多くのチャンスを作り、相手ゴールを脅かします。
一方、守備面でもJ1リーグの中断期間中に行われていたU-23日本代表の試合で活躍を見せ、今シーズン初スタメンと共にJ1デビューを飾ったDF #15 鈴木海音選手が、#7 チャヴリッチ選手や#40 鈴木優磨選手ら鹿島の強力FW陣に対しても楔のボールを積極的にカットするなど相棒のDF #36 リカルド グラッサ選手と息のあった連携でチャンスを作らせず、縦パスでリズムを作るなどJ1デビュー戦を感じさせない強心臓ぶりを見せます。
ですが、「常勝軍団」鹿島が常勝たる所以。ピンチになっても崩れることなく、GK #1 早川友基選手が積極的な飛び出しから広い守備範囲を見せ決定機までには至りません。
すると前半30分、コーナーキックから鹿島がPKを獲得します。
VARの確認もありつつ、結果的には判定通りPKとなりそのPKを鈴木優磨選手が真ん中へ豪快に蹴り込み、鹿島が先制します。
ジュビロ磐田は不運な部分もありつつ、開幕から5試合全試合失点かつ、5試合中4試合で先制を許す展開となりました。
それでも下を向くことなく直後のキックオフからジャーメイン良選手が枠内シュートを放ち早速チャンスを作ります。
完売となったアウェイゴール裏に駆けつけたジュビロ磐田サポーターも盛り上がりますが、スコアは動かず鹿島が1点リードして前半を終えます。
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後半、逆転へ!!
後半に入ると鹿島がMF #27 松村優太選手がピッチに入り、MF #30 名古新太郎選手との「静岡学園高校10番コンビ」がジュビロ磐田にとっての脅威となります。
その中でも後半立ち上がりからチャンスを作ったのはジュビロ磐田でした。ですが、その中で決定機まではなかなか結びつかない中で後半16分にMF #31 古川陽介選手がピッチに入り、前述の2人に加えて「静岡学園高校10番」が3人もピッチに立つことになりました!
※第98回高校選手権で静岡学園が日本一に輝いた時に松村選手が3年生、古川選手が1年生でした。
同校の先輩たちに対しても成長した姿を見せたい古川選手はJ1でも通用することを示すドリブルで左サイドを活性化させ、チャンスシーンを多く作ります。
古川選手のドリブル突破からシュートや、同サイドの松村選手を含め複数の選手が古川選手のマークにいく中でフリーになったDF #4 松原后選手のクロスから次々にチャンスを作ります。
さらには古川選手と同じく20歳のMF #77 藤原健介選手が途中出場にて今季初出場となると、ビルドアップの受け手やセットプレーのキッカーとして鹿島ゴールを脅かします!
これまでの4試合はマテウス ペイショット選手を途中交代で出場させることで攻撃のリズムを変えていた中で、今節はペイショット選手がスタメンでベンチにも本職FWの選手が不在(※この試合ではFW登録だった藤川虎太朗選手は本職は2列目のMF)だったため、交代選手の火力不足も懸念されていたもののしっかりとギアを上げることに成功して得点の匂いが強まっていきます。
しかし、最終的に「LIXIL賞」に輝く早川選手の牙城を崩せずタイムアップ。
鹿島アントラーズはホームで連勝を飾るとともに、ジュビロ磐田は3連敗となり、J1復帰後の5試合を1勝4敗と苦しい開幕を迎えることになりました。
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"クラシコ"を終えて
暫定ながら得点ランキングトップに立つジャーメイン良選手やルーキーながら全試合スタメンの植村洋斗選手らの覚醒の予感や、マテウス ペイショット選手の90分を通じたポストプレーや守備強度の高さ、レオ ゴメス選手のボールハント能力の高さ、そしてJ1デビュー戦で見せた鈴木海音選手の足元の技術や楔のパスへの対応力など今後に向けて期待が高まり、「通用した部分も多い」と感じさせながら「それでも勝ち点0」という結果となりました。
もちろん5節を終えて暫定ながら降格圏に足を踏み入れてしまったのは事実ですし、「エレベータークラブ」と言われることも多くなったクラブとしては、その結果を踏まえて「早く手を打たないと4度目の降格も現実になる」と懸念する声が出てくる気持ちもわかります。
ただ、自分が楽観的なこともあるのかもしれませんが、このチームは良くなっていくのではないかと思っていますし、残留してくれるとも思っています。
もちろん、「通用する部分が多かった。」「でも負けた。」を繰り返して口角の憂き目にあったクラブは過去にもたくさんありました。
ですが、開幕戦で「通用する部分が見つけられなかった」と言っても過言ではなく何もできず完敗した神戸戦からここまで立て直し、「通用する部分」が見つかるようになってきたのは間違いなく横内監督やスタッフ、選手たちの努力によるものです。
何よりJ1での経験が浅い選手たちも多いからこそ「J1基準」を知って成長を遂げて昨シーズンのようにシーズン中からチャンスを掴んでいく選手も増えて層が厚くなっていく未来が今から楽しみです!
これからも引き続きジュビロ磐田を中心に、サッカー界全体が盛り上がることに期待しています!