
【GW関東アウェイ2連戦!】昇格組対決!「東京ヴェルディ」vs「ジュビロ磐田」
こんにちは!みやざき潤です。
関東住みにはありがたいジュビロ磐田、GWの関東アウェイ2連戦2試合目は東京での一戦となったため、前節の横浜FM戦に引き続きこの試合も行くことができましたのでその様子をまとめさせていただきました!
ぜひご覧ください!
AFC U23アジアカップ カタール2024優勝!
このGW期間中、カタールで行われていた「AFC U23アジアカップ カタール2024」。
両クラブからもU23日本代表メンバーが選出される中、そのU23日本代表はパリ五輪出場のみではなく5月4日(※日本時間)に行われた決勝でも勝利し「U23アジア王者」の栄光とともに帰国することになりました。
東京ヴェルディの山田楓喜選手が途中交代から試合終了間際に得意の左足から均衡を破る決勝点を奪い優勝を飾った一戦から中1日で迎える「明治安田J1リーグ」の舞台。
優勝の立役者となり、開幕から「明治安田J1リーグ」の舞台でも左足から猛威を振るっていた山田選手は過密日程からかこの日の一戦はメンバー外となります。
一方、ジュビロ磐田からメンバー入りを果たしていた鈴木海音選手はスタメンではなかったものの、この過密日程の中でベンチ入りをします。
※山田選手挨拶の様子はこちらの動画でも!
調子は上向き?好調な昇格組対決!
共に昨シーズンはJ2の舞台を戦い、それぞれ劇的な展開でJ1昇格を掴み取った両クラブ。
※丁度両クラブの昇格を決めた試合へ訪れることができたため、そちらを下記サイト(ULTRA SPORTS)で記事にしていただきましたのでそちらも併せてぜひご覧ください。
日本やサッカーだけに限らず昇格1年目のクラブはディビジョンが上がったことによる強度の差などから苦戦を強いられて「残留争い」に巻き込まれることも多く、勝てない日々が続くことも多々あります。
この両クラブも直近で昇格した年(東京Vは2007年にJ1昇格を勝ち取り、翌2008年にJ2降格。そして磐田は2021年にJ2優勝を達成し、翌2022年にJ2降格。)、それぞれ1年でのJ2降格となっておりその二の舞とならないよう今シーズンを迎えました。
※余談ですが、2008年の東京V降格は福西崇史選手のJ最後の一戦での退場もあって最終節で敗北し、「奇跡の残留」と称されることも多い千葉の怒涛の逆転劇にまくられ逆転でのJ2自動降格となりました。なお、その一戦で引き分けていれば磐田がJ2自動降格で、東京Vが入れ替え戦に臨むことになっていたのもまた数奇な運命?
1993年のJリーグ開幕と同じカードとなった国立での東京Vと横浜FMの一戦。東京Vの山田選手が直接FKから東京Vとしては2008年以来のJ1での得点を記録し、幸先の良いスタートを切りましたが後半44分、そして後半アディショナルタイムの失点での逆転負け。(※このスコア及び、逆転勝利という部分でも1993年の開幕戦と同じになりました。)
掴みかけたJ1復帰後初勝利を逃し、そこから1ヶ月勝利をあげられなかったものの第6節の湘南戦で初勝利!
初勝利前の試合では勝てなかった中でも引き分け続きで負けていなかったこともあり、第4節からリーグ戦8戦無敗(カップ戦を含めれば9戦)と降格圏との勝ち点差を離しつつ序盤戦を終えました!
一方の磐田も第2節では天皇杯王者の川崎との一戦で「5-4」と衝撃的な勝利を挙げたものの、5節終了時点で1勝4敗と苦しい開幕を迎えました。
ですが、そこから磐田も復調!J1復帰後初の完封勝利や初の連勝などを達成し、4月だけですと月間首位となる3勝1分1敗と調子を上げていました。
そんな好調もあってリーグ戦3戦無敗、しかもその3戦は昨シーズンクラブ史上最高位を記録しJリーグYBCルヴァンカップ王者の福岡、現在J1首位の町田、そしてアジアファイナリストの横浜FMと強豪との連戦続きの中での無敗となりました。
それぞれ決して前評判が高くなかった両クラブですが、4月頃を境に注目度を増し始めた両クラブの一戦がGW最終日に行われました。
立ち上がり、好調さを見せたのは…
共に負けない状態を続けていた両クラブの立ち上がり。最初にチャンスを掴んだのは東京V。6分に右サイドからペナルティエリア内深くに侵入するとFW #20 木村勇大選手がエリア内からクロスを上げると混戦の中で東京Vにシュートチャンスが訪れるも磐田DF #36 リカルドグラッサ選手が地面スレスレのボールをヘディングで書き出し決定機を逃れます!


一方の磐田も主に左サイドの崩しからチャンスを作ります。
開幕からポリバレントな活躍で即戦力となっているルーキーMF #50 植村洋斗選手がこれまでの両サイドバック及び、サイドハーフではなくリーグ戦では初めてとなる本職ボランチで出場すると左サイドからのクロスのこぼれ球にミドルシュートで相手ゴールに迫ります!
そして20分には敵陣でMF #7 上原力也選手が鋭い出足からパスカットをするとそのままDF #4 松原后選手とのワンツーで左サイドからクロス。そのボールをMF #14 松本昌也選手が胸で落としてFW #99 マテウス ペイショット選手がシュート!このシュートは惜しくも枠外となりますが攻守の素早い切り替えからパスで崩してチャンスを作り、好調ぶりを示します。
ですが先制したのは東京Vでした。
33分に左サイドからのコーナーキック。磐田のCK時の守備がニアへ集まりやすいことを分析した上でファーサイドでフリーになったDF #15 千田海人選手が折り返すと磐田のハンドを誘ってPKの判定。そのPKを決めれば無敗のエース FW #9 染野唯月選手が落ち着いて決めて1-0。ホームの東京Vがリードを奪います。
一方の磐田は3試合連続完封中の東京V相手に痛い先制点献上と共に、第5節の鹿島戦同様CKでフリーのファーサイドからの折り返しをハンドでPK献上となってしまう守備時の課題が表立ってしまう結果となってしまいました。
無敗続きながらホームでは未だに勝利がなかった東京Vにとって2008年以来のJ1でのホーム勝利へ、勢いを増したホームクラブは前半の内に大きな仕事をやってのけます。
41分にまたもCKの流れからFW #20 木村勇大選手がGK #1 川島永嗣選手の弾いたボールを豪快にゴールに叩き込み2-0。3試合連続完封中のホームクラブがCKの流れから2点を先制して前半を終えます。



















逆転へ!後半、怒涛の猛攻!
試合開始前時点で16得点を上げている磐田ですが、前半にあげている得点は4得点のみ(※内3点が第2節の川崎戦)で残りの12得点は後半にあげています。後半での得点数増加に貢献し、攻撃時のギアを上げているMF #31 古川陽介選手が後半開始とともにピッチへ送り込まれます。
そしてその効果が早速表れます!
55分に東京Vのビルドアップを中に絞っていたDF #4 松原后選手が敵陣でカットするとそこから左サイドの古川選手へ展開。その古川選手のクロスからエリア内で混戦となり、こぼれ球にペイショット選手が右足を振り抜き、東京V GK #1 マテウス選手がなんとかなるボールに触れるも弾き切ることはできずネットを揺らし後半立ち上がり早々に磐田が1点返します!
J1得点ランキングトップに立つジャーメイン良選手のインパクトばかりが目立っていますが、ペイショット選手も押し込まれる展開時にも前線での起点になって守備の時間を減らすだけでなく、得点数もリーグ戦直近6試合で4得点と調子を上げてきています!
「2-0」は一番怖いスコアと言われることも多く、表面上比較的勝利につながるように見えつつも1点返されると急に同点・逆転ペースが訪れるのはよくあることで、だからこそ「怖いスコア」なのかもしれないです。
そんな怖さを与えた磐田は、アウェイの地へ駆けつけたサポーターの応援熱も高まって同点の雰囲気を作ると、たまらず東京Vもフレッシュな古川選手の対策として失点直後の57分にDF #6 宮原和也選手を投入せざるを得ないなどゲームプランを崩すことに成功します。
そうなれば勝機を高められるのは"追う側"の磐田。守備的な交代をした(せざるを得なかった)東京Vの采配後、62分に前節横浜FM戦でも活躍した突破力のあるMF #19 ブルーノ ジョゼ選手、セットプレーのキッカーを務めパスセンスも光るMF #77 藤原健介選手が交代でピッチに入ります。
左サイドの突破をケアしたのならば右サイドを活かせば良い。その期待に応えたのは投入直後の両選手、そして頼れるストライカーでした!
投入直後の66分、早速藤原選手が素早い寄せからパスカットをし、MF #11 ジャーメイン良選手へ繋ぎ、ジョゼ選手へ展開。ジョゼ選手が右サイドを突破しクロスを上げると東京V のDFの足に掠ったボールは山なりの軌道でエリア内へ。そのボールに対して最早「空中で待っている」と比喩しても良いような対空時間の長いジャンプで表現通り「頭ひとつ抜け出した」ジャーメイン選手のかつての目標であった背番号と同じ今季11得点目を叩き出してゴール!!0-2から後半始まってまだ半分に満たない21分間の間に同点に追いつきます!
ですが、ここでアクシデント。そのジャーメイン選手と東京VのDF #4 林尚輝選手が競り合いから双方立ち上がれずしばらく試合が中断します。
J1得点ランクトップのストライカージャーメイン選手、そして直近3試合の完封を含めここまでリーグ戦全試合フルタイム出場をしていた林選手。両クラブにとって欠かせない選手の負傷に両クラブサポーターが心配をします。
ジャーメイン選手はなんとか立ち上がった中(※この試合はフル出場も後ほど左前額骨陥没骨折と判明)、林選手は無念の脳しんとうの疑いによる交代を余儀なくされます。
悔しいですがもしあのシーンでこの怪我をするとわかっててもFWとしてあの1点を取りに飛び込んでたと思います!また復活してチームに貢献できるようにがんばります!土曜日の鳥栖戦絶対勝ちましょう!
— ジャーメイン良 (@rukei13) May 9, 2024
試合で衝突した東京ヴェルディの林選手、今のところ大事は無いということで早期の復帰を祈ってます。 https://t.co/BYVIMGd1yF
ジャーメイン選手
— 林 尚輝 Hayashi naoki (@hayashi_naoki23) May 9, 2024
お心遣いありがとうございます。
骨折と聞いてとても申し訳ない気持ちでした。
そんな自分に
「また復帰したらバチバチやりましょう」
と言ってくれたことをとても感謝しています。
また同じピッチに立てるように精進します。
1日でも早く復帰できることを心から願っています。 https://t.co/YQ1xmkNr9H
※試合後の2人のやり取りはスポーツマンシップに則る素敵なものでした。
アディショナルタイムが長くなることが予想される中で再開された試合。流れがきているのはアウェイの中で采配が的中して0-2から2-2に追いついた磐田でした!
一方、采配が後手に回ってしまいホームで2点のリードを後半開始から21分の間で消してしまった東京Vもこのまま逆転を許すわけにはいかず、再度勝ち越しするための試練が訪れます。























ドラマは最後まで…!
0-2の状態から3戦連続完封中のクラブ相手にアウェイで2-2に追いつく。それだけでもドラマ性がありましたが、もちろんこれだけでは終わりません。
その後、この試合の主役になり得る可能性を見せたのは怒涛の動転劇を見せた磐田でした!
77分に藤原選手のFKからエリア内で東京Vの選手の手に当たったように見えるシーンが訪れます。そのタイミングでは流されたもののVARの結果ハンドが認められ、磐田に千載一遇の逆転チャンスとなるPKが与えられます。
このPKをPK成功率100%を誇るJ1得点ランクトップのジャーメイン選手が務めるも、惜しくも枠外。
ジャーメイン選手は膝をついて落ち込みますが、すかさずペイショット選手が歩み寄り励まし切り替えます。
おそらく自分自身もPKを蹴りたかった想いはあったであろう中で、PKを外してしまったエースへすぐ歩み寄り励ませる関係性がWエースが好調な要因かもしれないと感じました。
一方何とか逆転までは許さなかった東京Vは攻勢を強める磐田の攻撃を耐えつつ、一瞬の隙をつきます。
自陣からのクリアボールに抜け出した木村選手が決定機を迎えかけたところでグラッサ選手のファウルを誘発し、グラッサ選手にはレッドカードが提示されます。
守備の要の退場と形成逆転を許すような展開となってしまいましたが、逆転のムードが高まっていた分、前がかりとなっていたからこそのリスクを負った代償ではあったため責められない退場ではあったため、グラッサ選手のためにも負けられない磐田は早速動きます。
実質2トップ(ジャーメイン選手はMF扱いでしたが)がいる中でFWを下げず、ボランチを1枚減らし、あくまで「10人でも逆転を狙う」姿勢を見せます。
CBの退場による交代のため、事故的な交代で仕方ない部分は大きい中ではあったものの途中出場で2点目の起点、そしてPK獲得にもつながったFKなど成果を残していた藤原選手は悔しい途中出場途中交代を経験してしまう結果となります。
一方、過密日程をこなしていたDF #15 鈴木海音選手がスクランブルでの出場をする事態となりました。
選手の治療やVAR、さらに退場もあり13分にまで増えたアディショナルタイム。10人の磐田相手に盛り返して東京Vがペースを掴むもGK #1 川島永嗣選手を中心とした磐田守備陣が崩れず、2-2のまま時間が進みます。
ですが、前節終了時点で
第1節:90+3分に失点
第2節:89分に失点
第3節:90+3分に失点
第4節:90分に得点
第5節:90+3分に得点
第6節:86分に得点
第8節:90+4分に失点
第11節:90+7分に得点
と終了間際にドラマを起こし続けていた東京V。その東京Vにとって13分あるアディショナルタイムは試合を動かすには十分な時間でした。
90+9分。染野選手が左サイドで持ち上がるとそこを起点に最後は木村選手が抜け出して川島選手が守るゴール頭上へ豪快に蹴り込みこの日2点目。そして再度勝ち越しとなる大きな得点を奪います。
その後クロスを駆使して磐田も残り4分を使って10人で再同点を狙いますが追いつくことはできずタイムアップ。
3-2でホームの東京Vが今季初の連勝を掴みとると同時に2008年以来のJ1ホーム勝利となりました。










試合を終えて
東京Vにとってはサポーターの皆さんが待ち望んでいたであろうJ1ホーム初勝利を劇的な展開で掴めたことはもちろん、順位の近かった相手に勝利を掴めたことは大きな結果になったと思います。
その分、順位の近かった相手にホーム初勝利を献上してしまったことは磐田にとって痛手となったことは間違いないです。
ただ、ポリバレントな植村選手、鹿沼選手がそれぞれ新たなポジションで試合に絡めたことや、途中出場の古川選手やジョゼ選手、藤原選手が得点に絡むプレーを見せるなど収穫も多かったように見えました。
CBでグラッサ選手が退場し森岡選手もコンディションに難を抱えているタイミングで鈴木選手が「U23アジア王者」の実績とともに、決勝トーナメントで試合に絡めず個人的な伸び代を肌で感じた状態で合流するなど昨年同様チームが辛いタイミングで選手層が厚くなっていく様子は期待しかないです!
試合後にはJ1得点ランクトップのジャーメイン選手が1ヶ月ほど離脱する見込みとなる中、鳥栖・札幌との残留に向けて負けられない相手との連戦、そしてその後すぐに行われる前回のJ1ではクラブ史上最多得失点差敗北(0-6)となり監督解任にもつながったエコパでの浦和戦など難敵との試合が続きます。
このピンチを新たに「突き抜ける」選手たちが現れることを期待しつつ引き続き応援していきたいと思います!!
長文となってしまいましたが、ご一読いただきありがとうございました!!