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"死にたい"と、思ったことはありますか。
このページを開いたあなたは、どんな人だろうか。
僕はあなたに強い関心を抱く。
どんな顔で、どんな体で、何歳で、何をしていますか。
僕はあなたのことを知っていますか。
そして僕は、そんなあなたを"好きだ"と思う。
大学一年生のとき、それはやってきた。
19歳の夏休み、1ヶ月外に出られなかった。
朝起きたとき、「ああ、死ななきゃ」と思って。両手を首元に伸ばし、力を込めた。
数秒息苦しくなって「なんでこんなことしてるんだろう」と、虚しくなった。
風呂に入れず。髭も、爪も伸びて。
汚くなる自分が、"生きている"ことを実感させてくれた。
心配した友人が遊びに誘ってくれた。
久々の外出。
湿ったい夏。
晴天に昇る太陽は、心にも濃く影を伸ばした。
どういう経緯かは憶えていないが、新宿ピカデリーのベンチにいた。
そこで笑顔で言った友人の言葉を、僕は忘れない。
「お前、ラッキーだな。この先、こんな辛いことないよ」
この言葉に救われた。
即効性はなかった。
もちろんそのあとも辛かった。
けれど、間違いなくこの友人の言葉に支えられて生きてきた。
数年後に、それを凌駕する辛いことが起きた。
25年と11ヶ月を振り返っても、最も辛かったと言える出来事だ。
それを乗り越えられたのは、人に話したからだと思う。
ネットでみんなに言うのではなく。
LINEや、電話や、直接。
「死にたい」と言った。
自分で口にして、話を聞いてもらう。それの繰り返し。
専門機関にかかり、心理士の方にも話した。
誰かに自分の気持ちを話す。
もちろん、「死にたい」気持ちを一発で解決する方法なんて誰も知らない。
それでも話す。
書く。という行為も良い。
日記を付けるのも良い。
人から聞いた話。
とある有名企業の社長がいた。
その人は側から見たら成功者。
けれど悩みが尽きなかった。
ある夜、自分の悩みを紙に書き出した。
すると全部で70個ほどあった。
「明日のプレゼンで何を話そう」
「娘たちは将来立派に育つだろうか」
「なぜ戦争は起きるのだろうか」……。
書き終えたあと、彼は自分の頭を埋め尽くしていた"悩み"が70個しかないのだと気付いた。
今度はそれを3つに分類した。
①いま悩むべきこと。
②いずれ悩むべきこと。
③一生かけても答えが出ないこと。
「明日のプレゼンで何を話そう」は①
「娘たちは将来立派に育つだろうか」は②
「なぜ戦争は起きるのだろうか」は③
そのあと彼は②と、③の悩みを一旦保留し、
まず①について悩むことにした。
これはとても合理的な方法だと思う。
僕が尊敬する木村政司先生の言葉。
「ポジティブな言葉を口にし続けなさい。
『ありがとう』『しあわせ』『たのしい』。
プラスの言葉は自分を引き上げて、自然と高みの人たちに出会わせてくれる。
逆にマイナスの言葉。愚痴、恨みつらみ、不平不満。それを口にするとどんどんマイナスの循環になる」。
僕の好きな本の言葉。
「自分の思想が念力になり行動に移る。
辛いときは『これで辛い思いは最後、このあと自分は絶対に幸せになる』そう思い続けること」。
僕は、前述してきたたくさんの言葉に支えられている。
これだけの素敵な言葉に出会えた。
ひとえに、何か少しでもあなたの役に立ちたくて書いてきた。
けれど。
うるせぇよ。って思う。
死にたいときは。うるせぇ、と。うるせぇと。
スキップする。ただ、スキップする。
頭のなかで何回も死ぬ。
一日を。なかったことにする。
ある日、ふと頭に浮かんだ。
今まで自分は、自分のことを「ネガティブ思想な人間」だと決めつけていた。
しかし、先に話した辛かったときの事を振り返り、「よく俺は自殺しなかったな」と思う。
もしかしたら、自分は「ポジティブな人間」ではないか、と。
うっすら感じた。
結局、評価というのは他人がくだすもので、
自分で決めつけてはいけない。
皆がみんな、自分がなりたい○○を、自分に当てはめて良いと思う。
これからも僕は数多くの死にたい瞬間に出会う。
想像できない辛いことも起こる。
それはあなたも。
"死にたい"と、思ったことがあるあなたへ。
生きましょう。