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オンライン診療対応ってぶっちゃけ進んでるのか

結論いうとぶっちゃけ進んでないし、進めてほしいけど気をつけたいこともあるよなって話。

「はるよし!オンライン診療してないとこなんていまある?」

社内で質問されたんですよ。わかる。その人が見たのはMEDLEYさんっていうドクターの情報共有とオンライン診療でめっちゃ頑張ってる企業のCLINICSってアプリだったんですが(誘導みたいでやだからリンクははらない)、割と大都市圏は出てくるんですね。なので純粋に「わ!もうオンライン診療がほぼ全部対応なんだ!」って思ったそうです。
それだけなら全然いいんですが、その人は続けたんですね。

「オンライン診療があるから、今後クリニックとかいらないよねぇ」

医師会がオンライン診療にめちゃくちゃ反対してたのは、この無邪気な一言も怖かったんだろうな。
というわけで説明したら「へえええ!!」だったので今日はオンライン診療算定について時系列で。

オンライン診療、めっちゃ医師会に嫌われる

映像と音声だけで病態を算定するのはめっちゃ大変だから、医者は嫌がった診療方法です。患者側からしてみると、未知のウィルスなくても病気もらわないし、待ち時間ないから嬉しいんだけど、重大な病気見逃されたら医者のせいにされかねないっていうのもあってなかなか難しかった。

とはいえ、外来受診が多くの二次医療圏(救急車でとりあえず病院に運べる圏)で需要の最盛期を越えてしまったし、過疎地や無医村の問題もあるし、生活習慣病のように急な増悪(容態が悪くなること)が来る可能性が少ない病気の割合が増えたので、まぁしょうがない・・・「初診じゃないこと」「定期的に通院して対面で診療すること」などを条件に解禁されたんですね。これが2018年4月から。元々のオンライン診療です。当時の寄稿とかだと、リクルートドクターズキャリアさんの記事とか分かりやすいです。(オンライン診療の現状とこれから)


オンライン診療推進しようぜの矢先のコロナ

じゃあオンライン診療が劇的に増加したかっていうと、そんなでもなかった。約20万回。(平成23年からあるのは、これより前にあった電話での再診を含むため)

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出典:厚生労働省「平成30年度診療報酬改定後の算定状況等について」(令和元年9月11日)

約20万回!しゅごい!じゃあ外来にくる患者さんどれく・・・おおおお診療所の再診で7373万。病院で1300万回。合計で8600万回なんですね。まってまって桁がおかしい。0.2%しかない。

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出典:厚生労働省「平成30年度診療報酬改定後の算定状況等について」(令和元年9月11日)

この辺、数字出てるのは2019年1月からオンライン診療すすめようぜ・・・!って頑張ってたからんですね。

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新型コロナの影響

そこにやってきた新型コロナ。病院がクラスター発生の危険性が高いとされて、「既に行ったことがある病院/診療所で、電話対応してくれるなら処方箋遠隔でも出していい」という通達がでます。

定期的にお薬もらいに病院にいく方、そういう方がご家族にいる方へ
病院/クリニックに行かなくても、処方箋薬は手に入ります
2/28~の緊急対応策で
・いつも行ってる病院
・何回か処方箋もらってる
の場合、電話で処方箋が必要な旨を伝えて、処方箋をFAXやメールで請けとってから処方箋薬局に持っていけばお薬が手にはいります。
※近くにかかりつけになりそうな病院/診療所がない地域の場合は、初診でも遠隔診療/処方箋が受けられる可能性があります。
ソース(厚生労働省通達) 

そして、このあと、コロナ対策のオンライン診療が解禁になりました。4月10日前後のことです。

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出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について」

初診でなくても大丈夫になったのがすごいことだと思います。本当に。
もちろん、医師が危惧しているとおり、匂いや雰囲気、動作でしかわからないこともあるのでこれは経過措置で、3ヶ月毎に本当に診療報酬に組み込んじゃうのかどうか判断されるとのこと。オンライン診療があったら、医療機関はいらないね、というのはちょっと勇み足かもしれません。

実際の数字と影響と今後

でも実際にオンライン診療はふえていると思います。算定回数でないと確定ではないですが。ただ、冒頭のように「みんなが算定してる」まではいってないと思います。

というのも「オンライン診療やってるやで」って届け出たところ、発表時点でグラフ化したんですが。全都道府県PDFみながら鼻水垂らしながら数数えてだしたんですが。赤が全医療機関、青がオンライン診療申請医療機関ですすくなーーーーい。

オンライン対応医療機関数の割合

出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について」

TOP5が山形県(約13%)、福井県、富山県、長野県、高知県。
BOTTOM5が沖縄県、栃木県、岡山県、京都府、宮城県(約1%)です。

それでも、検索して「たくさん出てきた!」と思うということは、割と都市圏や目端のきいたところはスタートしてるのかもしれないですね。

なので、「全体で見るとまだ少ないけど、やらな!と思ってるところは開始してる」が現状です。


個人的には増えてほしいです。待ち時間もドクターの副業の方法にもなるし、その分手術にリソース分けられたりしそうだから。

ただ、それで割を食うのは無名で真面目にやってるクリニックと病院です。検索上位にこなければ、アクセス下がります。すると有名なクリニックや病院に依頼が集中します。めちゃくちゃニーズがあるところと、めちゃくちゃしんどいところが二極化する可能性があるなと。すると、めちゃくちゃしんどいところが保険外とかにいって野放図に・・・なんてこともあるかなと。

また、看護師さんや医療事務の人にとってクリニックは「夜勤とかない楽な職場」という伝説を信じてる方が少なからずいますが(営業職が事務職に憧れるみたいなものでしょうか)、オンライン診療がベースになれば対面処理もへるので求人自体も減るかもしれないな、と思っています。

長くなりましたが、オンライン診療について現状をまとめました。
また、3ヶ月ごとの見直しのときに追記や新規記事などで定点観測していきたいと思います。


2020-07-29 はるよし

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