月1億円の赤字がでる公立病院はどのくらいしんどいか
7月19日に朝日新聞に「「第2波までもたない」公立病院が苦境、医療崩壊の恐れ」という記事が掲載された。一部抜粋すると・・・
4~5月の外来患者は前年より25%近く減り、5月の赤字は約1億円。受診を控える動きもあり、病院事務長は「昨年度も赤字で、この調子だと秋にも資金が底をつく」。
どんくらいやばいか、いまいちピンとこないよね、と別業界の友達に言われたのを思い出したんですよね。「めっちゃやばい」てのはわかるけど、解像度がガバガバなんだ、と。確かに。このへんって平易な言葉でまとめてあるものないなと思ったので、本当に「ざっくりつかむ」ために作ってます。
もちろん、同じ共働き家庭でもカツカツがあればめっちゃ裕福なところもあるのと同じで、各施設ごとに異なるのは大前提です。
医療施設の種類と件数
まず、言葉の定義から。
というのも入院できるかできないかで、医療費って大きく違うからです。
入院するとなると、寝具や食事も必要になるのでかかる費用が桁違いですよね。そりゃホテル安くても1万円とかするもんな。ご飯付きだと2~3万円するもんな。すごいわ宿泊できるって。
そんなわけで入院できるところを病院、そうじゃないところを診療所って言い始めたんじゃないかなぁと思っています(知っている方教えてほしい)
ブラックジャック先生の病院は医師免許もってれば有床診療所なわけですね。2床なので。
さて。日本は全部で約10万8000件の医療施設があります。
内訳は
病院(入院できるベッドが20床以上ある医療施設)が約8000件
診療所(=クリニック、入院できるベッドが20床以下の医療施設)が約10万件
クリニックが10倍という衝撃の事実。
医療サービスの提供数をお金で見る
定義がわかったところで、年間の金額を見てみましょう。どん。
ざーーーっくりいうと
診療所(橙) 1億 ※開業医、クリニックとも。駅前とかにある
個人病院(緑)7億 ※一般でいうと有限会社みたいなもの
法人化(黄) 17億 ※一般でいうと株式会社みたいなもの
公的病院(赤)55億 ※県営、市営、赤十字とか。採算取れない医療もやる
大学病院(青)188億 ※研究所を兼ねている場合がほとんど
です。
もちろんこれは「それだけ儲かってる!」ということではなく、単純に「提供した医療と紐付いている値段」なだけ。
1000万円の服を売ってる!あそこは儲かってるんだ!ではなくて、5000万円かかる服を1000万円で売ってるケースがある。というか多分公的病院はそんなん多いと思う。
なお、ブラックジャック先生のところで1億円って安いですよね。あれは保険外適応(一番効果があるとたくさん実証して確かめられた医療・・・ではないもの)の医療なのでここには含まれません。
そもそもブラックジャックは医師免許持ってなかったですね。ははは。
月1億円の赤字がでる公立病院はどのくらいしんどいか
冒頭の記事に戻ります。
4~5月の外来患者は前年より25%近く減り、5月の赤字は約1億円。受診を控える動きもあり、病院事務長は「昨年度も赤字で、この調子だと秋にも資金が底をつく」。
通常、年間55億円のお金の行き来があるのに、単純に(本当に単純に)考えて1億円のマイナスがもしも1年続いたら12億円のマイナスです。20%ダウンです。-20%ってすごい。最低賃金の値上げだって「めっちゃ改善した!!!」って言って3%だった。もちろん母数が違うから影響は違うけど、でも2割減は厳しい。
もしもマイナス幅が大きくなって年間55億円マイナスになったら赤字どころのさわぎじゃない。無です。タダで薬は手に入らないし、お医者さんは無料で1年間働けません。看護師さんの家族は無給でうごけるかっていうとむりですね。
ツッコミどころめっちゃあるのはわかってます(医療材料も、外来比率もぜーーんぶ置いてっちゃってるので)。ただ、ざっくりでも記事を読む時のお財布事情のきっかけになってくれたら嬉しいです。
なので看護師さん、介護職さん慰労金・・・もらおうな・・・・!
あれ国から出るから・・・・!!!!!!5万~20万条件あるけどもらえるかもだから・・・・!!!
https://note.com/miyazaki_iroiro/n/nd4785711eaa5
オチが弱いですが、今日はこの辺りで。
2020-07-30 はるよし
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?