マルシェはきっとうまくいく
世の中には(人間社会にはというべきか)なぜだかわからないけど、やってみるとうまくいくということがある。
最近、それを感じたのがマルシェだ。
4月7日に釜石大観音仲見世で開催した、えんむすびマルシェ。
去年の9月に第1回を開催し、今回で2回目となる。
釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクトを4年前に始めてから、ずっとやってみたい、やるべきだと思っていたマルシェ。
今、マルシェはブームなのか、どこの地域でもやっている。
でも、どうとっかかっていいかわからないので、二の足を踏んでいた。
去年、メンバーからもやってみようという声があり、やり方はわからないけど、ともかくやってみるかということで、まずは日にちを決めて取り組むことにした。
一番わからなかったのは、出店者の集め方だ。
そもそも、出店したい人なんているのか?
頼んでも頼んでも断られるというイメージがつきまとう。
ところが、意外なことに出店者を集めることには、全然苦労しなかった。
メンバーがそれぞれに声掛けを行い、声を掛けられた出店者は高い確率で、出店してくれた。
もちろん、いろいろな事情で断られることもあったようだが、半分以上はOKだったように思う。
あれよあれよというまに、クラフト、飲食、その他の20店舗以上の出店者が集まった。
本業としてやっている人もいれば、小商いの様な形で、アクセサリーなどを自作している人もいた。
キッチンカーの出店、フリーマーケットの出店もあった。
マルシェの広告を出すと、向こうから「出店したい」と言ってくる人もいた。
つまり、出店したい人はいっぱいいたのだ。
次に、集客や売り上げのほうの不安があったが、それも杞憂に終わった。
やはり、出店者にはある程度以上の売り上げが必要だろうから、集客は重要だ。
いつものイベントよりは、告知に力を入れたところはあるが、それにしてもチラシを配ったり、テレビの告知コーナーに出るなど、手弁当で出来るレベルだ。
結果的に売り上げは、予想を上回るものになった。
ということは、需要もあったというわけだ。
運営面でも不安はあった。
基本的には屋外に机一つというスタイルだ。
希望があれば、テントや電源なども用意したが、全部の出店者分はない。
机もテントも借り物だ。
しかし、それもさほど問題はなかった。
場所や設備の優劣はあっても、売り上げにはさほど影響はないようで、トップだったのは、屋根もないところで机一つで売っていた、陶器の店だった。
なぜなのか考えてみると、マルシェとかマーケット、市場などいろいろ呼び方はあるが、露店を並べて販売者と、購入者をつなげるスタイルは、昔からあるし、今も世界中にある。
海外でいうと、僕はそんなにたくさんの国に行ったわけではないけども、スペイン、フィリピン、ミャンマーなど、ほとんどの国でそれを見た。
台湾では夜に開かれる「夜市」がさかんのようだった。
日本の中でも、地元の鈴鹿市白子では僕が子どもの頃からイチロクの市(1と6のつく日に開かれる市場)というのがあって、規模は縮小したが、今もやっている。
盛岡にも「よ市」というのがあって、寒い時期をのぞく半年ほどの間、毎週土曜日に開催されている。
マルシェ(市場)は、出店者によっても、買い物をする人にとっても魅力的なのだ。
だからそれをつなげる場さえ作れば、自然にことが進んでいく。
今までに取り組んだどんなイベントよりも、スムーズに、それほど手間をかけず出来た印象がある。
一方で、経済的な効果は最も大きかった。
第2回目のえんむすびマルシェでは、前回出店してもらった人に声をかけたところ、半数以上の人が参加したいという回答を得たし、新たに声を掛けた人も、高確率で出店してくれたので、店舗数は前回より増えた。
それもSNSがほとんどで、想像していたように、出店を1軒1軒訪問して、頼んで回るというようなことはなかった。
出店者が2度目も参加してくれるということは、前回の結果は、それほど悪くはなかったということだろう。
2回目は売り上げも増えた。
こうして回を重ねるごとに、規模を拡大して行けそうな気がしてきた。
もしどこかでマルシェをやってみたいという人がいたら、チャレンジしてみるといいと思う。
きっとうまくいくだろう。
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