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しおひがり棟の軌跡④ 和室を洋風に

今回は雨漏れや水漏れなど、戦いっぽい内容ではなく、ライトな内容になるかと思う。

2階は子育て中のお母さんのワークスペースになる予定だったが、もともとは和室で構成されている空間だった。

北側の6畳間から見た写真(襖がなぜビリビリだったのかは不明)

北側の2室が6畳の和室と、4畳半の和室を襖で仕切ってあり、南側はキッチンと玄関がある部屋と4畳半の和室が戸襖でつながっていた。

キッチンは北側の6帖の和室とも戸襖でつながっている。

(戸襖とは片面が板張り、もう片面に襖紙が張ってある戸のことであり、和室と洋室の仕切に使われる)

北と南の4畳半は押入で仕切られている形だ。

一般的に和室は真壁(しんかべ)、洋室は大壁(おおかべ)になっているもので、しおひがり棟も例にもれずそうなっていた。

つまり、キッチンと玄関のある部屋とトイレは大壁で、それ以外は真壁だった。

真壁というのは柱が前にでて、壁の部分が1㎝から2㎝ぐらいへこんでいるもので、じゅらくなどの砂壁や、キラキラ光るものが混じった繊維壁などで仕上げられているのが一般的だ。

水回りなどの空間では表面がつるつるした、しっくいで仕上げられていることもある。

一方、大壁は木の柱は見えず、ビニールクロスや塗装などで仕上げられている。

大壁の仕上げも、しっくいや塗壁の場合もあるが、真壁と違う点は柱が見えているかどうかである。

sofo cafeやあずま家の場合は、真壁の壁の部分にDIYようのしっくい「うまーくヌレール」を塗った。

僕は長年業界にいるのでそういうものだと思っていたが、あずま家の女将(20代)は、うまーくヌレールやアクドメール(アクを止める下地材)などのネーミングが気になるようだった。

言われてみれば、たしかに適当すぎるかな…

柱はそのままだったのだが、今回のしおひがり棟は柱も塗ることにした。

それだけではなく、天井やランマなども塗って、全部真っ白にしようと思った。

インテリアのテーマは北欧風である。

床は畳から杉の板にすることにした。

ホームセンターで販売されている「カフェ板」という商品だ。

途中で思いついたのが、捨てようと思っていた障子の利用方法だ。

障子は紙が貼ってあると和風にしか見えないが、白く塗って紙を貼らなければ、窓の格子の飾りになって、洋風(洋館風)に見えるのではないかと。

柱と天井のペンキ塗り、壁のしっくい塗りは、体験ボランティアと称して、フェイスブックで募集したところ、たくさんの人が手伝いに来てくれた。

また震災後から毎年のように団体でボランティアに来てくれている、外資系の証券会社のみなさんも、高級な服をペンキで汚しながら(よかったのかな…?)塗ってくれた。

つまり、塗ったのは僕以上に経験のない人もたくさんいたし、塗り回数も2回までと決めていて(工数や材料費がかかるので)、よく見るとすけムラがある。

もちろんしっくいも、左官職人が塗ったようなツルツルではなく、コテムラが残った中塗り程度の仕上がりである。

そもそも中塗りゴテで、1回仕上げなので当然なのだけど。

ヨーロッパやアメリカでは、中古の家を買って、自分で塗替えをすることが多いと聞くので、DIYをするだけで、なんとなく欧米っぽくなるのだ。

たぶん…

ランマも白く塗ったら、洋風という感じではないが、さりとて和風というわけでもなく、なんとなく違和感がなくなったし、障子は思った通り洋風になった。

そんなわけで、だいたい思った通りに仕上がってきたインテリアだが、途中で問題が発生した。

金が足りないということだ。

②と③に書いた通り、土間のコンクリートや、階段、バルコニーの鉄骨補強などで追加工事が発生していた。

DIYといってもペンキやしっくいや床材などの材料もタダではない。

計算すると、予算オーバー分をポケットマネーで立て替えるとしても、照明器具を買うお金がなくなっていたのだ。

照明器具は最低限、機能だけを確保する裸電球しか買えなくなった。

さすがに裸電球では、うーん…と悩んでいたところ、あるものを目にした。

フェイスブックで知り合いが投稿をしていた、多角形の骨組みを吊り下げた飾り「ヒンメリ」だ。

北欧の女性が考案したものらしく、最近、日本の女性の間でもブームになっているらしい。

北欧!これだ!と思った。

このヒンメリを裸電球の飾りにつければ、北欧風になるのではないか!?と。

調べてみると、本来は麦の茎で作るものらしいが、ストローでも作ることが出来るらしい。

ストローではどうかなと思いつつ、100均に行ったらおあつらえむきのものがあった。

竹のストローである。

ヒンメリ照明の試作

いろいろと試行錯誤はあったが、裸電球にヒンメリの正八面体を取付け、ドライフラワーで飾り付けることにした。

ドライフラワーも100均である。

その他、アクセントカラーとして既設のドアをターナー・ミルクペイントで塗装したり、押入の内部のベニヤを県産の自然塗料U-OILで塗装したりして、(自称)和室を北欧風のインテリアにリノベーションしたのであった。

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