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miyayou
2023年4月2日 23:27
誕生 クルス・ホームレイクタウンは靄でおおわれていた。ある晩秋の日、街の真ん中にあるクルス湖に人工生命の原液《スープ》が投げ入れられた。月の光が惜しげもなく、阻むものもなくそこに注がれ、その光を吸収した原液《スープ》から人工生命体Aが誕生した。二つの赤い瞳を開くとすぐさま人工生命体Aは周囲の情報を集めて始めたが、未だ自らが生まれた存在理由を問うことも知ることもなかった。ただ、その鋭い眼光は赤く輝
2018年1月3日 17:23
「ナワテ、それは本当に必要なの?」と彼女は言った。「必要だからいるんですよ。誰にとって、は、おいておいてね」俺たちは砂漠の真ん中のカフェのテラスで話し合った。目の前には、果てしない砂漠の荒野が広がっている。何百度目かの光景、何千度目かの学習。俺の中の報酬系が敵に勝つことを運命付けている。俺より旧式の彼女は俺より一世代前の人工知能だ。だから、もっとこの戦争にうんでいるのだ。俺たちは戦争開始時間