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分かち合うための強さ

大人の世界、大人の事情がある一方で、子供の世界、子供の事情も存在します。家庭内のさまざまな悲しい事情は、双方に大きな影を落とすでしょう。何らかの問題に対して、大人なりに子供の事を考えて結論を出しても、子供はそれを受け入れるため、多くの時間を要するかもしれません。ただ、気持ちの整理がつかない、落ち着かない状況でも、自分のすべきことや、心が求める正義に対して、正直になれる「強さ」を持つ。たとえ子供であっても、そんな強さを持てるのではないでしょうか。そのためには、友が、師がその想いを分かち合うことで、子供の世界、子供の事情における救世主に成りうると感じます。いまの学校生活、あたりまえにそんな世界が必要だと思っています。悲しむ側の強さ、見守る側の強さ。悲しみに心を100%譲り渡しても、決してそれに溺れることがないように。

「悲しみを聞かせて」

校舎の屋上 君をみつけた
いじめっこから 守ってくれた
その ありがとうが 言いたくて
遠くをみつめる 君の横顔 
ひとすじの光 過ぎる静寂
その悲しみは 静かに 聞こえた

ことばを拾って 君に捧げる
遠いところで 見守りながら
この せつなさには 勝てなくて
いつかは孤独を 分かち合いたい
ふたりの時間が 過ぎる世界に
その悲しみは 静かに 聞こえた

わたしを見つめた 君のひとみは
うるんだままで 微笑んでいる
あの ありがとうを 言いかける
わたしに語った 孤独のわけを
父との死別で 過ぎる時間に
その悲しみは 静かに 聞こえた

その絶望を 摘み取る 言葉もなく
その気持ち 分けあう 言葉もなく

その悲しみは 静かに 聞こえた



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