黎明期のパソコンゲーム開発#17
■FANFUNを創る ~ゲームの基本を創る~
1.ゲームとしての基礎づくり
思いついたアイデアを形にしてゆくにあたり、まずはゲームの基礎となる部分を最初に作っていきます。
基礎といってもアプリケーションの基盤やエンジンといったものではなく、「何がこのゲームで一番面白く、それだけでも十分遊べる要素なのか」を抜き出して作ることになるため、何から作ればよいのかは試行錯誤でした。
FANFUNの基礎部分は「風船が落ちてきて、風を当てると向きが変わり、下に落ちると割れる」という部分。そのためまずは風船が飛び回る枠組みを作り、その中を自由に風船が動き回る部分を作っていきました。
これは最初の枠組み部分。出てくる穴や格納する左右の穴はアイデア時には固まっていたので、この形を基本としています。
これが偶数面。1面1面で変化を与えるため壁の色が奇数・偶数で変わるようにしてます。また吹き出しの穴の数も1つ→2つ→3つと変わるようにしています。
次に扇風機を設置。扇風機は左右に動かせるようにし、羽を回転させて扇風機のように見えるように何度もパターンを変えて試しています。
次は扇風機の方向をかえること。扇風機自体の左右の動きとは別に回転という要素を入れ、落ちてくるボールに様々な方向の風を当てられるようにして動きに変化を与えるようにしました。
2.面白さの基本
このゲームの特徴はボールに「ふわふわ感」を与えるということ。そのため完全な物理的計算とまではいきませんが、重力や加速度、風が当たった時の動きなどかなり緻密に計算して動きを表現しています。
扇風機の風は扇風機の向きに風のベクトルで加速度を追加できるよう、風のラインとボールの位置関係を見て計算し、ある程度の高さになると風が届かないようにして、上部で落ち始めるようにすることで「ふわふわ感」を表現しています。
あとは左右の穴に入れると「入った!」という達成感を味わえるようにコロコロと穴の中に入り、下のトゲにあたると悔しい、その動きで楽しくなるように基本部分だけの動作で楽しめるように作り上げていきました。
単純なゲームほど、基本的なものだけでも十分ゲームになるかと思います。
次はゲームに登場するキャラクタについて書いていきたいと思います。