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黎明期のパソコンゲーム開発#19

■FANFUNを創る ~面のバリエーション~

1.面の構成とバリエーション

FANFUNはルールが単純であるがゆえ、遊びに変化を持たせるために各面で様々な障害物を登場させるようにしています。次の面では何があるのか?何が出てくるのか?遊び慣れた感覚・操作においても、登場する障害物に意外を感じて「また遊びたい!」と思わせるような各種仕掛けを用意していました。

ここでは各面に登場させた障害物について紹介したいと思います。

■障害物:壁

「壁」といっても柵のようなもので、FANからの風は通りぬけるけど、ボールは跳ね返るというものです。壁の種類は縦と横の2種類があり、特に縦の壁は上を通さないと右の穴に入らないため次のボールが出てくるまでに左右の穴に入れないとパニックになります。

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障害物:看板

垂れ幕のようなもので、扇風機からの風は通常通りあたりますが、落ちてくるボールがちょっと見づらくなります。看板の文字は何種類かあります。

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障害物:横扇風機

横から風を送って邪魔します。定期的に横扇風機の羽が止まるので、その間に左右の穴に入れるようにするのがコツ。横扇風機は左右のパターンがあります。

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障害物:上扇風機

上についた扇風機で、上からの風でたたきつけるためボールの横移動速度を速くしないと下にたたきつけられてしまいます。これも定期的に上扇風機の羽が止まるので、その間に左右の穴に入れるようにするのがコツ。

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障害物:クッション

一見、何でもないように見えますが、クッションにボールが当たると跳ね返らず下に落ちてしまいます。逆にその性質を応用して壁沿いに左右の穴に入れるというテクニックもあります。

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2.障害物の特性

各障害物の動き・特性を少し詳しく説明すると、例えば看板は単に見づらくなるというものですが、当時の技術的な面もあって完全には見えなくなるものではなく、実際には影が見えているので通常のプレイと同じく進められるようになっています。

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これは続編のNEWFANFUNでの看板。PC6001mkⅡでは複数画面を切り替える事が出来たため、看板の重ね合わせが出来るようになり難易度があがっています。

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これは横扇風機の風のあたる領域を示したもの。基本的にはこの領域に入ったボールが風の影響を受けるため、横扇風機の風の方向にある穴に入れるように心がければよいということになります。

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これはクッションの動き。通常の壁では跳ね返ったボールが、クッションに当たると横速度が0となり、まっすぐ下に落ちてしまいます。

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ゲームとしての基本ルールは変えず、障害物でゲームの難易度・遊び方のバリエーションを変えるようにしてあるため、障害物の動作・特徴でゲームの遊びにバリエーションを与えられるようになったように思います。

次回は「ボーナスステージ」について書いていきたいと思います。





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