黎明期のパソコンゲーム開発#13
■ゲーム創りの開始 ~作っては、壊す~
1.まずは作ってみる!
今ではゲームも開発環境があったりエミュレータがあったりと、開発するにも十分な環境が揃えられるかと思いますが、黎明期のパソコン時代ではそのようなものはなく、すべて実機で開発・テストを行っていました。
当然、どのような動きになるのか全くわからず「作って」は「壊し」の繰り返しだったように思います
下記はZAXUSの登場キャラクタ。最初はヘリコプターのようなキャラクタで作成(もろチョップリフター!)しており、ヘリのプロペラは後から重ね合わせて表現していました。
これはZAXUSのUFO途中検討バージョン。最終的にはUFOの形に落ち着きましたが、当然ヘリコプターにあった羽の回転はなくなり、羽の動きに伴って考えていたアイデア・部品もすべて没に・・・
もちろん、開発途中に実験しては消えていったプログラムも多くあります。下記はZAXUSの開発途中に作成していたジャンプキャラクタ。最終版では地面を走る人間・川に飛び込む人間に変わってしまい、描いたキャラクタは没になって、かろうじてクリア時のカウンタ画面に出てくるくらいとなっています。
これが実際の作品に残った部分
2.ツールも無い!だから創る!
またこの頃にはアニメーション用のツールなんてものもなく、ZAXUSのUFO/人の走りや、FANFUNのボールの動きなどキャラクタの動き・アニメーションの動きも実際に作って動かしてみないとわからない状態。
そのため自分でグラフィックエディタやアニメーションツールを作成し、どうしたらリアルな動きになるか、1つ1つ確認してはゲームに盛り込むといった作業をしていました。
FANFUNのボールの動きなども簡単なツールで確認。ドットが粗い分、確認は簡単に出来ますが、ドット1つで大きく表現が変わってしまうのでリアルな動きにするためのドットの選択が大変だったように思います。
この頃はすべてが手作り。ゲーム開発とともに開発環境も一緒につくる時代でした。
次はゲームの基本デザイン面について書いていきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?