黎明期のパソコンゲーム開発#22
■FANFUNを創る ~テストプレイと改善~
1.テストプレイ
ゲームとして面白いか?は最終的には遊び手の感じ方にもよるため、FANFUNもある程度作った段階で家族や友達に遊んでみてもらい、様々なフィードバックをもらっていました(とは言ってもコンテスト締め切り前の数日しかなかったのでテストプレイフィードバックと言えるものではありませんでしたが・・・)
最初に遊んでもらった時の感想は「これって・・何をしたらいいの?」と説明から求められたという点。そのため簡単ですがマニュアルを見なくても分かるようにデモと説明のシーンを追加しました(これも当時のパソコンゲームでは少なかったと思います)
あとは、今から見れば当たり前かもしれませんが、ちょっとした「分かりやすさ」を追加していって、プレイヤーに何をしたらいいのか分かるように工夫するという点でしょうか。
FANFUNの場合、FANの風を操って左右の穴にボールを入れるわけですから、「左右の穴に入れる」という点をプライヤーが知らない間に意識させる必要があります。そのため左右の穴に「→」を点滅させ、「ここに入れればいいのね」と思わせるようにしています。(この何気ない点が、プレイし始めた事に有効だったように思います)
2.調整と改善
FANFUNでは非常事態が発生した時(ボールが落ちそう、でも移動速度が遅くて間に合わないなど)、スペースキーを押すと羽が飛んで、落ちそうになったボールを上にあげることができるようにしています。
この羽を飛ばすアイデアについては、最初は何回も発射できるようにしていましたが、それでは安易に使われるようになり、また羽を打っている間はFANから羽が消えて風が出ないようなパターンを試してみましたが、結局難易度が上がりすぎるため今の形になっています。
これも実際にプレイしてもらっては調整していったため、プレイヤーの難しさの感じ方も参考になるのかと思います。
これは羽を飛ばすときの方眼紙イメージ。様々な方向の羽にするため、それぞれの羽のパターンを用意しています。
あとは細かい表現を設定するなど微調整と改善の繰り返し。これはボールが床に落ちて割れるシーン。最初は単純な絵の繰り返しでしたが、割れてボールの悔しさを表現するように修正しています。
これはその時の方眼紙へのドット絵。実際に動かしてみないとなかなかイメージ通りにいかないですね。
こちらはボールを落としてFANがいじけるシーン。パックマンのやられた時のシーンを参考にしています。
FANがやられた時の設計図。
実際にテストプレイをしてもらうと、様々な意見が入ってゲームがブラッシュアップされていくと思います。半面、意見を聞きすぎると尖ったアイデアもなくなってしまうのでバランスが大切かと思います。
次回はゲームのタイトルと細かな気配りの点について書きたいと思います。