ミステリー作家の驚異的な1日
有隣堂書店の『有隣堂しか知らない世界』というYoutubeが面白くて時々見ている。ミミズクのキャラクターのツッコミがいい味を出していて、かつテーマも興味をそそる。
地図本シェア9割の昭文社の担当者をゲストに迎えた回では、
スマホのある時代に、紙の地図っていります?
という辛辣なツッコミをしていたのは笑った。
スマホ時代に紙の地図で生き残る昭文社サイドの戦略もなかなか聞きごたえがあった。
文具の紹介なども多く、そっちは私は興味はないのだが、本そのものにまつわる回は面白い。
そんななかで最も衝撃的だったのが、ミステリー作家の中山七里先生をゲストに迎え、作家の一日をレポートしている回。
中山先生は月に連載を8本抱え、それがもうすぐ12本になるかもしれないというのだが、連載ひとつ原稿用紙で50枚分というから、12本になれば3日で50枚、8本でも4日で50枚書く計算になる。
正直、人間技と思えない。
私など5枚のエッセイに2日かかることもある。10枚だと3日か。
中山先生は私の5倍の速度で書いている計算だ。
それ自体も驚異的だが、何より驚くのは1日のルーチンで、1日17時間15分も書いているというのだ。その間レッドブル1本飲んだだけで食事もとらない。
たまたま収録した日がそうだっただけで翌日には何か食べたとは思うけれど、それにしてもその日の食事がそれだけとは鬼気迫るものがある。
食事もそうだが、運動もしていないわけだし、調べたらお歳は60で、よくそんな生活でやっていけるものだと驚くばかり。
さらに、ミミズクもツッコミを入れていたが、そんなにたくさん同時並行で書いて、よく話がこんがらがらないなと。私などひとつの話を書きはじめると、頭の中はそれ一色になって、他の原稿などまったく書けなくなる。
そしてなにより私が感心するのは、よくもそんなに次々とストーリーが思いつくなあということ。ミステリーだとそれぞれに意外性のあるトリックを思いつかないと書けないわけで、いったいどうすればそんなペースでアイデアを出せるのか。
毎日映画を1本見ているようなので、そこにそのヒントがあるのか。
食える作家になるのは大変だ。
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