大体鈍行で進む本土縦断旅 | 札幌で地下鉄を乗り回す11日目
札幌から始まる11日目。
本日は地下鉄の1日乗車券を購入し、あちこち見て回る1日とした。
まずは絶対に行きたかった、北海道 開拓の村へ。
JR新札幌駅、もしくは地下鉄の新さっぽろ駅からバスで向かう。
開拓の村は、明治から昭和初期の北海道開拓期に纏わる様々な建築物が移設されている野外博物館。
ゴールデンカムイの原作で参考にされている建物が多く、映画版では実際に撮影に使われている。
村全体が聖地。
歴史的建造物好きの私にとっては、アミューズメントパークのような場所である。
市街地群・漁村群・農村群・山村群とエリアが分かれている所も、ワクワク感が増す。
東京ドーム約11個分という広大な敷地に50件以上の建物があるため、本日の後の予定を考えると「少し急ぎ目に見て回らなきゃなぁ」とか考えながら向かった。
が、ほとんどの建物で当時の様子を再現したり、展示室のような形で建物内部を公開していて、「こりゃいくら時間があっても足りないかもしれん…」と慄いた。
建物は全てが素敵だったが、数が多いので個人的に特に印象に残ったものを…
何ヶ所かでミニ体験イベントが催されているが、旧小樽新聞社では明治時代に実際に使用されていた「手フート印刷機」という手動式印刷機でのハガキ印刷体験ができる。
体験としては、既に版がセットされている印刷機のハンドルをググッと引き下げるだけなのだが、実際に触れる事ができる機会はとても貴重だと思う。
旧山本理髪店は、ゴールデンカムイで店名も同じく「山本理髪店」で登場したことで有名な場所。
状況を再現するかのように人形が配置されている。
建物内に足を踏み入れたタイミングで、会話音声が再生されて1人で少しビビっていた。
個人的に一番強く印象に残ったのは、漁村群の旧青山家漁家住宅。
ニシン漁で財を成した家との事。
聖地の1つである建物だが、村一番の漁師の本邸として横溝正史氏の金田一耕助シリーズの舞台として出てきそうな雰囲気で、とても良かった。
開拓の村ではボランティアの方々が解説をして下さるのだが、ここではニシン漁についての話が聞けた。
当時水揚げしたニシンのうち、食用とされていたのは15%ほどだったらしい。
冷凍技術がなかった時代、食べられる状態で保存できる期間が短かったためで、残りは良質な動物性の肥料として通常の肥料よりも高い価格で取り引きされていたとの事。
ニシン漁の期間は4〜6月と短いが、その短い期間でも大儲けし、このような豪邸を建てていたらしい。
そんなこんなで、急ぎ目に回っても3時間以上かかりました。
開拓当時の建物が連なっている村全体の雰囲気がとても良いので、再訪してゆっくり見て回りたい。
次は地下鉄で札幌の大通り公園付近まで戻り、その辺を散策。
札幌で数日過ごしているのに、大通り公園周りの名所を全然見ていなかったです…
向かった赤れんが庁舎は、修繕工事中の模様。
残念ではあるが、気持ち切り替えてサクッと次の場所へ。
時計台周辺は観光客が多かったため、外観を見ただけで終了。
時計台の正式名称は「旧札幌農学校演武場」らしいですね。
札幌農学校といえば、クラーク博士。
当初はさっぽろテレビ塔の展望台に登るつもりだったが、開拓の村の滞在時間や、乗り換え時間をちゃんと調べずに移動してしまい時間を結構ロスしていたため、今回は断念。
テレビ塔展望台より優先度を上げて向かったのは、サッポロビール博物館。
最寄駅はJR苗穂駅だが、1日乗車券をフル活用するために地下鉄 東区役所前駅から向かう。
到着時、既に日没間近。
こちらもゴールデンカムイの聖地として有名な場所ですが、今日一番の混雑スポットでした。
有料のプレミアムツアーは要予約だが、私が到着した時には予約は埋まっていた。
元々無料展示を見るつもりだったが、すごい盛況ぶりである。
無料展示はほぼ1フロアにまとまっていて、見て回るのにそれほど時間はかからない。
巨大なビール煮沸釜の展示や、開拓時代からのビール製造史についてなど、無料展示でも十分に楽しめる。
1階の有料試飲コーナーは、どこが最後尾かパッと見わからないくらい混んでいたためスルー。
最後に博物館から歩いて15分ほどの場所にある、サッポロファクトリーへ。
サッポロファクトリーは、サッポロビール工場跡地に作られたショッピングモール。
敷地内には赤レンガ建築を生かしている場所がある。
日没後の到着で全てを見て回る気力体力は残っていなかったが、見学館など見どころは色々ありそう。
ここで夕飯を食べ、足も限界を迎えたため本日の活動は終了。
明日は札幌を発ち、登別へ向かう。
いざ温泉へ!
12日目に続く。