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イスラエルのガザ攻撃を「テロリズム」と形容するローマ教皇フランシスコ

 ローマ教皇フランシスコがサンピエトロ大聖堂のバルコニーから集まった信者を前に昨日、ガザ戦争について語る動画がXに投稿されている。(たとえば
 https://x.com/AdameMedia/status/1824471806192894275 など)
 その中で教皇は

「私はガザから非常に深刻で痛ましいニュースを受け取り続けています。非武装の民間人が爆撃や銃撃にさらされています。そしてこれはガザの聖家族の小教区施設内でも起こりました。
そこにはテロリストは存在せず、家族、子供、病人、障害者、修道女がいました。
母と娘のナーヒダ・ハリール・アントン夫人と娘のサマル・カマル・アントンは、トイレに行っていたところ、イスラエル国防軍の狙撃兵によって殺害され、他の人々も負傷しました。マザー・テレサ修道女会の修道院は被害を受け、発電機も攻撃を受けました。「これはテロだ、戦争だ」と言う人もいます。そうです、これは戦争であり、テロです。聖書には『神は戦争をやめさせ、弓も折り、槍も折る。』と書かれてあります。平和を求めて主に祈りましょう。」

日本のカトリック教会が配った「焼き場に立つ少年」のカード https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20191121003357.html?iref=sp_photo_gallery_2

 ローマ教皇フランシスコは、常々平和を求め、宗教間の対話を提案してきた。彼は、2015年9月米議会で演説してサウジアラビアに武器売却を行う米国の軍需産業を念頭に、

「対話と平和のために働くことは、世界中の武力紛争を鎮め、最終的に終わらせるために真に尽くすことでもあります。ここでわたしたちは、自らに問わなければなりません。個人や社会に計り知れないほどの苦しみを与えることを計画している人々に、なぜ凶悪な武器を売り続けているのでしょうか。残念ながら、皆さんもご存じのように、単にお金をもうけるためです。血にまみれたお金です。多くの場合、その血は無実の血です。この恥ずべき、そして非難に値する沈黙の中でこの問題に立ち向かい、武器売買を止めさせることは、わたしたちの責務です。」と語った。


ローマ教皇フランシスコ 広島で https://www.chunichi.co.jp/article/9277


 教皇が指摘するように、イスラエルのガザ攻撃でも、ガザ住民の犠牲者が4万人に達しというのに、米国は武器・弾薬をイスラエルに供与し続けている。8月13日、米国政府は、200億ドル(3兆円近く)の武器売却を承認した。この中には約190億ドル相当のF―15戦闘機と装備品、7億7400万ドルの戦車の砲弾、6000万ドル以上の迫撃砲弾、5億8300万ドル相当の軍用車両が含まれる。これらの兵器が将来パレスチナ人を殺傷する武器や弾薬になることは明らかだ。4月15日付のBBCの記事は、米国のバイデン政権が昨年10月7日のガザ戦争勃発以来、イスラエルに100件以上の軍事売却をひそかに行なったと報じている。そのほとんどは、議会に正式に通知しなければならない金額を下回っている。売却には、精密誘導兵器、小口径爆弾、バンカーバスター、小火器など数千個が含まれると見られている。米最大の軍需企業のロッキード・マーティンは2023年、議会へのロビー活動に1、400万ドル以上を費やしたと見られている。議員への献金は、米政府がこれらの軍需企業から武器・弾薬を購入するための働きかけを成功させるための重要な手段となっている。自らの選挙区において軍需産業に依存する上院・下院の議員たち、また国防総省と軍隊、さらに民間の軍需企業が「軍産複合体」として一体となり、米国政治を方向づけている。

 イスラエルはヨルダン川西岸のクリスチャンの町ベイト・ジャーラーの教会を壊してイスラエルの新しい入植地を建設することを発表した。ここはヨルダン川西岸の最後のクリスチャンの拠点と言われているところだ。イスラエルはキリスト教の活動まで妨害するようになった。イスラエル人入植者やイスラエル軍は、シットインで入植地建設に抵抗するパレスチナ・クリスチャンたちを力で排除し、23歳のパレスチナ人男性が入植者に銃撃されて死亡し、一人が重傷を負った。ガザほど注目されていないが、昨年10月7日以来、ヨルダン川西岸ではイスラエル軍の発砲や入植者の暴力によって600人のパレスチナ人が殺害されている。イスラエルによるクリスチャンに対する暴力もまた宗教の共存を説く教皇の理念とはかけ離れたものだ。

イスラエルはヨルダン川西岸の最後のパレスチナ人クリスチャンの拠点を村をイスラエルの入植地に変えようとしている


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