今井雅之さんが遺した言葉
2015年5月28日に亡くなった俳優の今井雅之さんは、元自衛隊員で、紛争や平和についても数々の発言を遺している。米国との「集団的自衛権」が国政の議論の焦点になり、現在も改憲の議論がある中で、米国の戦争の本質に触れた彼の言葉に傾聴する意義は大いにあるだろう。下にインターネットから拾ったコメントを紹介する。
「アメリカは日本と兄弟とか言ってますけど、そんなもんとんでもない! 立川だろうが厚木だろうが沖縄だろうがって日本中にアメリカの基地がいっぱいあるわけですよ。でも、考えてみてくださいよ、アメリカに日本の基地がありますか?」
「実際ね、テポドンがアメリカに落ちたらアメリカは鬼になりますよ。でも、日本を守るという大義名分では絶対にアメリカは戦争なんてしませんよ。だって、何の得もないですからね」
「アメリカは10年に1回戦争をしなきゃダメな国でしょ、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争……、そしてその度に自衛隊や他の国の軍に武器を売るんですよ。武器っていうのはね、これはボクも自衛隊にいたわけですからわかるんですけど、10年で古くなるんですよ。その在庫処理みたいなもんなんです。そのためには何をしなダメや思いますか?」
http://journal.ocn.ne.jp/people/vol35/people03.html より
米国にとって優先すべきは自国の国益で、万が一尖閣諸島をめぐって日中間で戦闘が起きたとしても、米国が日本の一島嶼をめぐって中国と戦いを交えるとはとうてい思えない。集団的自衛権となれば、「10年に1回戦争をしなきゃダメ」という国に付き合わされることになる。第二次世界大戦後に米国の戦争によって犠牲になった人の数は2000万人から3000万人という見積もりもある。
今井さんが亡くなった同じ5月28日に防衛省は、イラク戦争やアフガン戦争の後方支援などに派遣された自衛隊員のうち、54人が自殺していたことを明らかにした。
宮沢賢治の「雨ニモマケズ」には「北に喧嘩や訴訟があればつまらないからやめろと言い」とあるが、第二次世界大戦後、最も多くの戦争を行っている米国との「集団的自衛権」ってまさに「つまらないからやめろ」という感じである。
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