パレスチナ人への同情や共感を表す世界の著名人たち
イスラエル軍が26日夜に行ったガザ地区最南部ラファの北西部の空爆によって避難民が密集して生活していたテントなどが焼失し、45人が死亡したが、そのうち子どもや女性が23人いたことは世界に大きな衝撃を与えている。イギリスのシンガーソングライターで、9000万人近いインスタグラムのフォロワーがいるデュア・リパも"#AllEyesOnRafah"のハッシュタグとともに、「子どもたちを焼き殺すことは決して正当化できない。世界は全力でイスラエルのジェノサイドをやめさせなければならない。ガザとの連帯を!」を書き込み、「恒久的停戦」を呼びかけた。アメリカの女優のスーザン・サランドンも同様な書き込みで「恒久的停戦」を訴えている。
父親がパレスチナ人のアメリカのスーパーモデル、ベラ・ハディッドは、インスタグラムで「ガザで今何が起きているのが分からないなら、私の記事を読んで、ガザで今起こっている進行中の占領と大量虐殺について知ってちょうだい。パレスチナ人が耐えている恐怖に鈍感になってはいけないわ。」と述べた。ベラ・ハディッドは、パレスチナ人が頭巾やスカーフとして着用するカフィーヤについても説明し、カフィーヤがさまざまなテーマを表していると説明し、たとえば、オリーブの葉は力強さ、復活力、忍耐の象徴であり、カフィーヤに多く見られる漁網のデザインはパレスチナの猟師と海の関係を表し、また豊かさと優雅さを象徴するものであると述べている。海は自由を意味するものの、ヨルダン川西岸に住むパレスチナ人たちは自由に移動できないために、海を見ることができないことを強調している。
ピンクフロイドのメンバーだったロジャー・ウォーターズはアメリカなどの学生たちがガザ停戦やイスラエルに武器を供給する軍需産業からの投資撤退を呼びかける運動を行った際に、「神様、私は起ちあがって『これは終わった、我々は引き下がらない、シオニズムは終わった』と言っている世界中のすべての大学にいるすべての若者たちを誇りに思っています」と語った。
イスラエルのガザ攻撃はAIを使って行われ、イスラエル軍はハマスのメンバーを殺害するのに、市民の犠牲を想定しながら攻撃している。イスラエル軍はハマスの武装部門カッサーム旅団のメンバー一人を殺害するのに、15人の市民の犠牲は許容しているという。(『ガーディアン』4月3日)テントの中の人々を焼き殺すというのはまるで米国の植民地時代に先住民のテントを焼き払ったことを彷彿させるようだ。
アメリカ政界ではバーニー・サンダース上院議員は、イスラエルのラファ攻撃は筆舌に尽くしがたい状況をいっそう悪化させると述べ、ラファに130万人の人々が生活していることや1平方マイルに5万人が密集していることに触れながら、ネタニヤフ首相の非人道的な戦争を支援するための爆弾や砲弾を提供することはできないと語っていた。
サンダース上院議員と同様にユダヤ系の哲学者のジュディス・バトラーは、大学はイスラエルのガザ攻撃を非難したり、軍需産業からの投資撤退を求めたりする学生たちを、警官を使って排除したことで、大学では学生や教職員たちが授業以外で自らの見解を自由に表現することを支持し、擁護するという大学にある基本的信頼を損なうことになったと述べている。民主的な社会としての大学の役割を奪うものであるとバトラーは語った。
世界の著名人たちがラファをはじめとするイスラエルのガザ攻撃に口を開く中で、日本政府はラファについては5月22日の会見で林官房長官がイスラエルのラファ攻撃を「深く懸念している」と発言したのにとどまっている。45人もの人が焼き殺されてもなお「深く懸念する」だけなのだろうか。