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G7首脳宣言の「不公平」とイスラエルの占領政策を非難するリチャード・ギア
G7首脳会議が終わり「イランに関するG7首脳声明」が出された。そこでは、「 我々G7首脳は、イランのイスラエルへの直接的かつ前例のない攻撃を最も強い言葉で明確に非難する。イランは何百ものドローン及びミサイルをイスラエルに向けて発射した。イスラエルは、そのパートナーの助力を得て、この攻撃を打ち負かした。
我々は、イスラエル及びその国民に対する完全な連帯と支援を表明し、イスラエルの安全に対する我々のコミットメントを再確認する。
イランは、その行動により、地域の不安定化に向け一層進んでおり、制御不能な地域のエスカレーションを引き起こす危険を冒している。これは避けなければならない。我々は、情勢を安定させ、更なるエスカレーションを回避するために引き続き取り組む。この精神にのっとり、我々はイラン及びその代理勢力に対し、攻撃を停止するよう求めるとともに、我々は今、そして、更なる不安定化の取組に応じて、更なる措置を講じる用意がある。
我々はまた、即時かつ持続可能な停戦及びハマスによる人質の解放に向けて取り組み続けることによるものを含め、ガザにおける危機を終結させるための我々の協力を強化し、困窮するパレスチナの人々に対してより多くの人道支援を提供する。」とある。(外務省による仮訳 https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100638102.pdf )
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しかし、イランが4月16日にイスラエルを攻撃したのは、4月1日、シリアのダマスカスにあるイラン大使館領事部がイスラエル軍と思われるミサイル攻撃を受けて、イラン革命防衛隊コッズ(エルサレム)部隊司令官のモハンマド・レザー・ザーヘディ准将ら7人が死亡し、またシリア人市民6人も殺害されたことがある。これに対してイランのハメネイ最高指導者がイスラエルへの報復を誓うなど緊張が高まった。
外交施設を攻撃することは国際法で禁じられていて、イスラエルは1982年にレバノン侵攻した際にも、その正当化の理由としてロンドンのイスラエル大使が銃撃されて死亡したことを引き合いに出した。イスラエルは自己矛盾を起こしている。G7の首脳声明はイスラエルが先にイランの外交施設を攻撃したことにまったく触れていない。
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最近、アメリカのハリウッド・スター、リチャード・ギアがイスラエルの占領政策を非難する動画があらためてSNS上で出回るようになった。リチャード・ギアは、映画「嘘はフィクサーのはじまり(Norman: The Moderate Rise and Tragic Fall of a New York Fixer)」(2016年)のプロモートで、2017年3月にイスラエル・パレスチナを訪れた後で、「占領はすべての人を壊している。占領はまったく擁護できない。占領によってパレスチナ人はいっそう絶望的になり、自暴自棄になっている。その絶望でますます暴力的になっている。他に自分自身を表現する方法がないからだ。イスラエル側でも兵士たちは本来やってはならないことを行うようになり、暴力的になった彼らはユダヤ人の魂を壊すようになった。戦争や占領で、パレスチナ・イスラエル双方の文化が破壊されるようになった。このような紛争の中でエルサレムにアメリカが大使館を移設することは最も馬鹿げたことだ。トランプ大統領は入植地の拡大を支持する人物を駐イスラエル大使に据えた。他方で、入植地拡大のペースを落とすように言っている。こうした矛盾によって、アメリカの政策がどこに落ち着くのかは私たちにも分からない。彼は最初から完全に無能な方法で矛盾した政策を推進している。」と語った。
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G7のイランに関する首脳宣言は、イスラエルの責任についてはまったく触れない不公平なもので、リチャード・ギアが言うように、パレスチナの人々をいっそう自暴自棄にさせるものと思う。このような不公平、不公正はG7の国際的な影響力を低下させ、それに加わっている岸田首相は日本のイメージまで悪化させるものであることに気づいていないことだろう。
表紙の画像は https://x.com/OnlinePalEng/status/1340660843478958080 より