ジョン・レノンは正しかった ―ユダヤ教ラビのイスラエル極右入植者との闘い
10月7日にハマスのガザ攻撃があってから、ガザではイスラエルの攻撃によって1万1000人以上が死亡したが、他方ヨルダン川西岸でも入植者の暴力やイスラエル軍の発砲などによって180人が亡くなった。
イスラエルの「人権のためのラビ(ユダヤ教の宗教指導者)の代表であるラビ・アリク・アッシャーマン氏は、ヨルダン川西岸のタイベ村郊外でオリーブの実を収穫するパレスチナ人農業従事者たちをイスラエルの極右入植者たちの襲撃から守っている。ハマスの攻撃があって以来、イスラエルの入植者たちは政府が支給する武器などでパレスチナ人コミュニティーを襲撃するようになった。同じ「人権のためのラビ」の所属するメンバーは「入植者たちが新たな戦線を開こうとしているとしか思えない」と語るほどだ。
アッシャーマン氏は、ジョン・レノンの「想像してごらん 国なんて無いんだと そんなに難しくないでしょう?殺す理由も死ぬ理由も無くそして宗教も無い」という「イマジン」の一節をとらえて、「ジョン・レノンは正しかった」と語ったこともあった。
http://www.noozilla.com/news/5270763/
アッシャーマン氏は「非ユダヤ人に対する振る舞い方を、神と私たちの宗教に掛けて反省する」「ユダヤ教の名において人々に対する扱いを間違うなら、それは神の名を傷つける」ともいう。彼は常々、ラビたちが中東和平を主導していくべきことを説いている。
多くの紛争や暴力は宗教を一つの要因とするナショナリズムのイデオロギーの下に起こされてきた。宗教そのものが紛争を起こすわけではない。アッシャーマン氏は、ジョン・レノンのイマジンの歌詞から宗教を中心に据えるナショナリズムに訴えるイスラエル国家の行き過ぎを戒めた。パレスチナ人に対する暴力をいとわないイスラエル国内の極右を説得する役割をラビが担わなければならないとアッシャーマン氏は訴えた。宗教に暴力の正当性を求めるという点ではISやアルカイダなども同様だが、キリスト教にもイラク戦争を推進したアメリカの福音派がいる。
平和は私たちの自覚や行動で創造するものであり、日々声を上げて何らかの行動をしなければならないことをジョン・レノンも語っている。
「平和はあなたが望むものではありません。それはあなたがつくるもの、あなたがすること、またあなた自身であり、そしてあなたが与えるものです。(Peace is not something you wish for; It’s something you make, something you do, something you are, and something you give away.)」平和にチャンスを与えてください(All we are saying is give peace a chance.) ―ジョン・レノン
オリーブの木は世界平和のシンボルだが、パレスチナなど中東地域では、美しいオリーブの木が生育してきた。グレコ・ローマン時代からオリーブは、神話の中でも語られるほど伝統のある農産物である。
オリーブはパレスチナ人の農民たちにとって重要な経済手段であり、オリーブ油、オリーブ石鹸、あるいは木材などの原材料となる。パレスチナではオリーブは輸出品目のうち2番目で、果実全体の収入の40%を占める。オリーブの樹齢は平均で400年、さらには700年も1000年も生き延びるものもある。パレスチナではオリーブの樹は4000年もの間、生産されてきたと見られている。パレスチナ人はオリーブの樹と彼らの土地を一体視し、自らのシンボルと考えてきた。オリーブはパレスチナ人の絵画や、本の表紙、ロゴなどに用いられている。
コーラン(クルアーン)やトラ(ユダヤ教の聖書)でも、オリーブは平和、人々の営み、豊饒の象徴として描かれている。また、オリーブは多くのオレイン酸を含み、生活習慣病の症状を改善、予防するとも言われている。
ジョン・レノンが作詞・作曲した歌に「Give Peace A Chance 平和を我らに」があるが、その歌詞は
「Ev'rybody's talking 'bout
Bagism, Shagism, Dragism, Madism, Ragism, Tagism
This-ism, that-ism, is-m, is-m, is-m
All we are saying is give peace a chance
All we are saying is give peace a chance
みんなが話している
バギズム シャギズム ドラギズム マディズム ラギズム タギズム
これイズム あれイズム イズム イズムについて
私たちが言いたいの『平和にチャンスを与えてくれ(平和を我らに)』ということだけ
私たちが言いたいの『平和にチャンスを与えてくれ(平和を我らに)』ということだけ」
やはりナショナリズムであるシオニズムはパレスチナ和平に肯定的に機能せず、極端なシオニズムに固執する入植者たちは和平の大きな障害になっている。
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