妻を待つ退屈
妻が、帰ってきません。
とはいえ我々に何かあったわけでもなく、たまたま職場の送別会の帰りに乗るはずの山手線が遅延してしまって、その後の西武線に乗り継げなくなって、なんとか深夜便のバスで帰宅を今、試みているところです。
あっという間に妻との東京ぐらしは今月で2年目を迎えました。2月には出会った土地・宮崎にて結婚式を挙げ、大切な人に囲まれて好き日を過ごしました。
仕事はいつも僕のほうが終わるのが遅く、いつも妻が駅まで迎えに来てくれる日常を日々、東京の住宅街が多い区に住みながら過ごしていますが、今日は妻が帰ってきません。
同じくらい酒が好きな妻がいないと、一人になったとき何をして良いものかわからなくなります。ひとまず今日は最近仕事も忙しかったものですから、一人でしっぽり赤ワインでも飲もうと思いセブンでプリミティーボを買ってきました。800円にしてはまぁ宜しい味わいでございます。
妻と一緒に最近ネトフリでハマっていた「昨日何食べた?」を一人で観るわけにもいかず、かれこれ4周目になる大河ドラマ「真田丸」をみつつ、一人でワインを開けましたが、酔いも足らず。ソワソワと一人でしている訳です。晩ごはんは一人だからどうでも宜しく、冷蔵庫にあったチーズと冷凍していた全粒粉のパンをオーブンで焼いてEXVと塩をかけて食べました。こんなんでもいいのよね。
ダラダラするのも良いのかもしれませんがなにか落ち着かず、干してあった洗濯物をたたんで、キッチンをアルコールスプレーで綺麗にして、食器を洗って、包丁を研ぎましたが、この程度です。本当に一人だとやることが無い。
最近聞いていなかったな、と思いレコードが入っているテレビ棚の左下の扉を開いて聞きたいレコードを聞き始めました。キース・ジャレットのケルン・コンサートをまるっと聞き終えて、音が悪いなぁと思って針を見たら埃が溜まっていたので取り除いた上でポール・マッカートニーのバンド・オン・ザ・ランをまるっと楽しんで、今はこないだ新宿のタワレコで買った吉田拓郎の伽草子というアルバムをボヤっと聞きながらワイン後の黒ラベルを飲んでいます。
音楽はいつもspotifyで家で垂れ流しながら家で聴くことが多いけれど、レコードも改めて好いなと思いました。盤を裏返す行為はまるで朝のスヌーズに悩まされつつもなんとか起きる行為にひとつ似ているような気もいたします。
それでも暇だから飲み会帰りに炭水化物をきっと食べたいであろう妻においなりさんと梅おにぎり2個を作りました。帰って来て頬張ってくれることを期待しています。
一人の時間の過ごし方がヘタクソになったな、と思いながら、それはまた一つ幸せなことでもあるのかもしれません。妻に限らず、職場も友人関係も、すべて含めて一人では生きていけないな、一人の無力さってあるんだな、そんなことをボヤっと思いながら、勢いよろしく黒ラベルの500缶に次は一人でアプローチしてみます!
あ、今帰ってきました。