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映画『ラストマイル』は名探偵コナンの"後から生まれたお兄さん"

TOHOシネマズ仙台で妻と見た。公開2日目だったが、休日ということあり客はほぼ満員に近い状態。大ヒット御礼。公開3日で興収9.7億円だという。本日(8/27)の順位も『インサイドヘッド2』を押さえて1位。

アンナチュラルもMIU404も既視聴。万全の態勢だった。

とはいえ、そもそも『カラオケ行こ!』をきっかけに綾野剛にどはまりした妻に追従しての野木亜紀子ユニバース入りだったので、そこまでどのキャラクターにも肩入れしていない。

アンナチュラルでは本作にもつながるブラック企業過労死問題を絡めた「誰がために働く」が、MIU404では伏線改修と真相がわかった後でセリフの意味合いが反転する野木亜紀子の構成力が光る「ミリオンダラー・ガール」が印象に残っている。今wikiでみたが、どちらも第4話なのか。そして、「ミリオンダラー・ガール」は塚原あゆ子演出ではなかったのか。

https://note.com/ntosetsu/n/n23b2e74c0af8

連続爆弾犯がグローバル企業のブラック労働問題と絡んでテロを起こし、ミステリー的な伏線改修の妙もある本作は両方の話を足して2で割らなかったようなストーリーであり、当然自分の口にもあった(本当は目と耳だけど)。

魅力的で0.3歩現実から遊離したようなキャラクターたちがシェアードユニバースで絡むこともありつつ『ダイハード』的な社会に対するテロや事件の解決に挑むというのは、これまた当代のドル箱コンテンツである『名探偵コナン』の実写ドラマ世界における"後から生まれたお兄さん"と誰もが認める立ち位置、内容であり、そのことは本作『ラストマイル』で確実なものとなったのではないか。

『ダイハード』に関しては2024年夏に最大の話題を生んだ邦画Netflixドラマ『地面師』で言及されていた。もちろん、大根仁と野木亜紀子は世代も需要のされ方も大きく異なる(むしろ真逆?)のだが、両者がその1988年(すなわち36年前)の古典化した大作を参照元として、便利に小さく日本ナイズしたような作品を送り出したことには、今だからこそあえてかつてのハリウッドっぽさをそれとは違うアプローチで安っぽくなく邦画で見せられるようになったこと、そのことに対しての需要が大きいということが表れているのではないかと感じた。

この調子でコナンくらい毎年の風物詩となればいい。そう思った。野木亜紀子にしてみればはた迷惑な話だろうけど。

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