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ニュージーランド旅行記最終日「おなら100発」

ニュージーランドから帰って1日が経ち、現在は16:43。
サンマルクの電源のない席でこれを書いている。ニュージーランドはもう20:43か……。ほとんどのショップが店じまいを始める時間だ。

こうして、別の土地の時間に思いをはせるのも、海外旅行の後遺症である。

良き後遺症。

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実質的な旅行の最終日である18日の夕食はベトナム料理店で食べた焼きそばとエッグ珈琲と生春巻きであった。よく仕組みを理解しないで注文したせいで肉が一切入っておらず代わりにブロッコリーなど様々な野菜が雑多に加えられた一人暮らし大学生がたまに冷蔵庫の食材を一掃するために作ったしろもの、のような焼きそばであったが、エスニックな味付けは、やはりアジアの醤油・だし文化に裏打ちされた親しみのもてる味をかもしており、最後の晩餐にニュージーランドらしさも減ったくれもないチョイスはどうだろうと自分でも思ったものの、結果としては非常に良い選択だった。

そのあと、昨日は荒れていたのでほとんど見ることができなかったロトルアの湖の淵を歩きに行く。穏やかな海には首から上が黒く、その下は白く、くちばしは赤い白鳥・黒鳥様の水鳥が優雅に泳いでいて、深い青にその影が映り、遠くの島がそのなかでどっしりとした存在感を示していて、なんともエモかった。

恋人たちも写真を撮っていた。

1回の入浴で1万5,000円ほども取られるため利用をあきらめた高級スパの近くを歩き、「なんか打たせ湯みたいなのあるぞ!」とか言いながら部屋に帰る。

明日は俺一人が帰る。AM5:00にやってくるロトルア空港行きのタクシーで。

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ブー。プスー。…プププププ。
その日の夜3時。俺は冗談でなく100発以上の屁をこきながら、ふとんのなかで身をよじっていた。いや、腹を壊したわけではない。
ただ、眠れず、そして腸内が非常に活発化しているのだ。

ロトルアの町内が活発化すればいいのに、まさか俺の腸内が活発化するとは……などとくだらないことを考えて、一睡もできずにAM5:00を迎える。
しかし、考えてみると日本との時差はニュージーランドが4時間先。すなわち日本は現在AM1:00だ。帰ってからのことを考えると、この方が都合がいいのかもしれないぞ。

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AM5:00に少し遅れて到着したタクシーに乗ってロトルア空港へ。
真っ暗な空港は、5:30になってやっと灯りがつき始める。
俺が乗り込むこの6:45発ロトルア→オークランド便は今日が初めての就航で、空港自体がそのオペレーションにうまく対応していないよう。
大量に残ったニューじーランドドル(ニュージーランドでは結局ほとんどキャッシュを使わなかった)を、売店でチョコ(ホーキーポーキー味・ベリー味)に変える。

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飛行機が時間通りに出る可能性は思った以上に高くないと思っている。しかし、今回は運がよかった。
時間通り7:30に国内線はオークランドに到着。
そのまま空港でぶらぶらと時間を過ごし、大量の修学旅行生(中学生)とともに10:05発、成田空港行きの飛行機に乗り込む。

飛行機では、英語字幕でクリント・イーストウッドの『陪審員2番』を見る。英語のため、主人公の抱える事情をうまく理解しないまま、終盤まで、そしてあの切れ味鋭いラストまで見てしまったが、イーストウッドの映像で物語る力のためか、物語の享受すべきところは受け止めることができたからいいか、と思う。

機内では2発しか屁が出なかった。ロトルアで、たくさん出してきたからね。


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