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漫画は売れないと価値がないのか?

アマチュア漫画家という立場である
マイノリティに属する自分としては
場違いな気がして、ちょっと勇気がいるものですが…

一歩、踏み出して、書いていきます。
長くなりますが、ご了承ください。

漫画家の多様な在り方

一般的には商業雑誌でデビューして出版社から
給料をもらっている人を、「漫画家」だと思うでしょう。
しかし、ネット・SNSが普及されたコトにより
「漫画家」と一口に言っても、様々な在り方が増えた気がします。

皆さんもご存じのように、ここnoteでの記事や
TwitterやFacebook、pixivやInstagram、
その他の漫画サイトなど多岐にわたりますが…

出版社を通さなくても、
自分の漫画を読んでもらうコトも
稼ぐコトもできる時代なったんですよね。

それにより、描く原動力である“動機”も“在り方”も
漫画家によって、本当に多様になったと思います。


商業ではない作品をポリシーを持って描いてる人、
一次・二次オンリーの人、デビューしていない人、
担当ついてない人、プロを目指していない人、
趣味ではないが本業でもない人、

描いたけど評判がイマイチで凹む…商業デビューはしたが、
様々な事情で続けられない…でも、漫画は描いていきたい人、
画力に自信がないけど、面白い漫画を描きたい人、

逆に、商業デビューや連載を目標にする人、
そして単行本で大ヒットさせるコトを夢見る人、

イイネやフォロワー数など数字が欲しくて頑張る人、
同人即売所で売れるコトを目標にする人、

そして、ゆくゆくは独立・専業にして
自分の漫画の売上のみで生計たてたい人など…

私自身もプロ・アマ問わず、漫画を読むのですが
最近ではイラストレーターやアニメーターでも
漫画を描くようになり、ビジュアルなどでは、
ほとんどプロと同じ水準を持つ方も
珍しくない時代になりましたよね。

そこで違いを分けるとしたら、打算的な話になりますが…
「売上と認知度」ではないでしょうか。

漫画家にとっての「売上と認知度」とは?

例えば、とても面白い漫画を描くのに、何だか売れない…
知ってる人は少なく、宣伝しても無反応…
かたや、下書きの段階の漫画であっても、何故か売れる…
SNS界隈では有名で、宣伝すると必ず反応がある…

同じ努力をしていても、売上と認知度は雲泥の差。
この両者がいたとしたら、読者の人気が上がり、
仕事がくる確率が高いのは、どちらか?
やはり、後者なのではないでしょうか。

それは何故か?
「売れるという実績がついてるし、広告費も安く済むから。」

「そして、労力をかけず効率よく、出来れば最短で、
 自分の求める
承認欲求や数字を獲得するのに、
 分かりやすい目安になるから」ではないでしょうか。

だからこそ、自分の漫画を商品として価値があると
売れる・部数獲得のために、描きたくもない流行や
過度に過激な表現を描いて、何とか需要がある漫画を
描く漫画家も少なくないように思います。

 そして、ビジネスとして冷静に割り切るなら、
「漫画は売れないと価値がつかない」となるでしょう。

そして、何らかの実力が証明・保証された人には援助がつきやすいですが
そうではない人には、援助や応援はされにくいように思います。

それは何故か?
その担保になる「結果」が出ていないから「損失するリスク」を、
なるべく少なくしないと経営や生計が成り立たないから。

ようは「お金や利益にならないから、出来れば避けたい。」
…ある意味、とても合理的ですね…

売れないと価値がないのは本当か?という疑問

しかし、ここまでの話は、あくまで「漫画」というものを
「商品としての道具」としてしか、捉えるコトができない人の話です。

「漫画」
をただの物ではない、「唯一無二」のものだ。
そう言い切れる人には、また別の価値が生まれると思います。

「唯一無二」なんて、かなり誇大表現しているかもしれませんが、
例えば、アイドルに推しがいる人、応援している球団がいる人、
昔、ハマったゲームを、今でも懐かしくプレイする人…
そんな人に「このレベルなんて、いくらでもある(いる)じゃん」と
訳知り顔で言おうものなら、血を見るかもしれないのと同様に、

その人にとって、誰が何と言おうが、
「自分にとって、絶対的かつ、他に類を見ないほど尊い…!」
そう心から思うなら、それは「唯一無二」になるんですよね。

私にとっても、「漫画」は「唯一無二」のものです。
しかし私の好みがマイノリティであったからなのか、
よく読んでいた漫画が打ち切りになったり…
漫画家さんが辞めてしまったり…

“こんなに感動したり面白い漫画なのに、ただ売れないだけで
ここに、ちゃんときちんと受け止めてる読者がいるのに、
簡単に切り捨ててしまうなんて、あんまりだ…”
子供心に何となく、理不尽に思えたものでした。

そこに思い出や体験、愛情や笑顔、優しさや温かさ、
忘れられない言葉や体験などが、付与されていたからでしょう。
私にとっては、売上や認知度に左右されない、
「唯一無二」のものになっていたのだと思います

「漫画」を「消費物」にしないために

しかし、だからこそ、
自戒を込めて、漫画家は、読者の皆さんに、
“その体験を届けられる漫画を、本当に描けているか?”
常に自問自答しないとならないでしょうし、

客観的に何が自分の作品に足りないのか、
研究するのも重要になっていきます。

ですが、漫画家ができるのは、多分、ここまで、で
読者が何かアクションをしていかないと
漫画家には何も届かないんだな…とも思いました。

なので、私は感動したり面白い漫画は、
人気がなくても、アマチュアであっても、関係なく
積極的に、本を買ったり、コメントを書いたり、
ファンレターを送ったりするようにしています。

「漫画を商品としての道具」としての
消費物にしないためにも、

自ら、“売れない漫画には価値なんてない…”なんて
漫画家さんが投げ捨ててしまわないためにも、

“どうせ人気漫画家には敵わない…”と、
誰かが勝手に決めた序列に従ってしまわないためにも、

“読者の皆さんにこれを届けたい!!”という情熱を、
絶やさず持ち続けるためにも、

プロだろうがアマだろうが、売れようが売れなかろうが
人気があろうがなかろうが、関係なく、

読んでほしい読者に、私だけじゃない、
漫画家さんの大切な作品が、ちゃんと届いて、
広まってくれたら…
と思っています。

こんな風に気軽に漫画家目線になったり、
読者目線になったりできるのが、
アマチュア漫画家である自分の醍醐味かな、
とも思っています。

漫画は気長に楽しむものでもあるなと思います。
根を詰めると続かないですから…

そんな漫画家さんたちを区別することなく
お互いリスペクトする創作現場になってほしいな、とも思ってます。

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