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大人の読書感想文「元彼の遺言状(荒川帆立)
出会い方:もともと本屋で目にはしていて気にはなっていたが、なかなかきっかけもなくそのままだったが、今回ドラマ化をきっかけに。
作者の新川帆立さんは幼少期~中学校までを宮崎で過ごされたとのこともあり、しばらく宮崎の書店では宮崎出身として特設コーナーが設けられていました。インパクトのある赤い表紙と女性のイラストが印象的で、ミステリー大賞も取られているとのことから期待して読ませていただきました。
このタイトルもなかなかのインパクトで、「元彼の遺言状」という言葉の意味は読み始めてすぐに意味が分かります。全編を通して読者を引き込んでいく、「自分を殺した人に全財産を譲る」という遺言状を巡って、元彼にまつわる人達の点と点がどうなっていくのかが見所です。表紙にもあるかっこいい女性が主人公としてかなりのキレのある弁護士っぷりを展開しています。作者の新川さん自身が弁護士だったこともあり、法律にまつわるシステムや要点を分かりやすく導いてくれるので、なるほど、こういうときはこうなるのかと彼女目線で話を追っていくことが出来ています。
前半部は各登場人物を比較的丁寧に紹介してくれつつも、単純な犯人探しというわけでもなく、ミステリーというからには謎が含まれるわけですが、凛として割り切りつつも人間味のある主人公の女性弁護士の言動を見るだけでも楽しめました。
今始まったばかりのテレビドラマでは綾瀬はるかさんがその役を演じられていますが、この小説とは初回からけっこうなアレンジがあるようで、これはこれで本作との違いを楽しめるのではないかと思います。