『コワすぎ!』シリーズを観た一週間
白石晃士監督の『コワすぎ!』シリーズを毎晩一作ずつ視聴するウォッチパーティが開催されたのでここ一週間連続して観てた(関連作として同監督作の『オカルト』も観た)
今日で『コワすぎ!最終章』まで観終えたのでいったん振り返ってみたい
シリーズ未見の自分からすると、まず1,2作目あたりではホラードキュメンタリーにぶちこまれてくる工藤ディレクターという強力なキャラクターの存在がただただ面白かった
金、恫喝、暴力なんでもありのキャラクターで、とにかく工藤さんがこの局面でどう動くか?? という期待感だけで心がめちゃくちゃブチ上がってしまった
3作目(河童)になると前半工藤さんが戦線離脱していることもあり、ちょっと毛色が変わってきたなと感じる。その代わり工藤さん以外の「本気」のキャラクターが登場してきて心が通じ合うのがアツい
この「本気なのかどうか?」という心構えはシリーズ通して視聴者にも問われる姿勢であって、工藤さんは常に本気なんだという気持ちが伝わってくる。ウォッチパーティのギャラリーもみんな本気なので嬉しさがある
観れば本気が分かる、と過去作のDVDを手渡すのもすごくいい。我々はそれを観ているし、観れば伝わるのだ
4作目(花子さん)では工藤さん(+カメラマン)以外が全員女性ということもあって、工藤さんお得意の恫喝芸は十分に発揮しづらそうだった
しかし「ここからはノーカット」というシーンからの怒涛の疾走感がめちゃくちゃすごい。すごすぎる
「これTENETじゃん!」「TENETってこれを見て作ったんだよね」というコメントもあり、確かにノーランにも影響を与えてるんだな~って思った(思うのは自由)
中でも緊迫する車中の様子を撮影しているところは、長回しで有名なキュアロン監督の『トゥモロー・ワールド』ばりによかったと思う
『トゥモロー・ワールド』では狭い車内の様子をカットを切らずに縦横無尽にカメラを動かして捉えるために、天井を切り取った特殊な車に特殊なカメラ台をつけるということをしている
しかしコワすぎ!ではもちろんそんな予算をかけたことはしてなくて、ただシンプルにカメラマン役が同乗することによって同様の撮影効果を果たしている(気がする)
そしてとにかく超常的なことに迫られているという状況によって、車内の一同が一体となった緊迫感を出している。もちろん我々視聴者も一体となっている。キュアロン監督もこうやって撮ったほうが良かったのでは??と思うくらいに良かった
そして劇場版序章、オカルト、劇場版…
『オカルト』はコワすぎシリーズよりも前の作品で、コミカルに思えるシーンが少なく日常的な嫌~~さが強い
コワすぎではとにかく工藤さんが出てくれば何とかしてくれるんじゃないかと思えるし、工藤さんの細かいやりとりを注視していると茶目っ気すら感じてくる
改めて工藤さんはその名の通り物語を「駆動」してくれるキャラクターなんだなあという感じがした
そして迎えたコワすぎ!最終章
えっ、えっ??
前作劇場版でも全てが繋がってきたけど、さらにそこまで繋がってくるのか!!となった
エブエブもこれを参考にしたらしい
とにかくみんな本気であり、本気だからこそ紡がれる友情なんだ
それを観ることができて本当に良かった…
観てるよ!! 観たよ!! と伝えたい