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【連載企画】県南焼酎風土記
独特の焼酎文化や歴史、地域産業との関わりを持ちながら、それらを記した資料が少ない宮崎の県南焼酎。取材を通してそれを探る。
※このコンテンツは2016年11月7日~2017年6月9日まで宮崎日日新聞社本紙日南・串間版に掲載されたものです。登場するお店、登場される方の職業・年齢等は掲載当時のものです。ご了承ください。
第1部 12の蔵元 百花繚乱
第1部では、日南、串間市の12蔵元それぞれのこだわりを紹介する。
1.京屋酒造
■甕壺使い自然な発酵
マグロの水揚げや林業で栄えた港町・油津で長く愛されてきたのが、日南市油津にある京屋酒造(渡邊眞一郎社長)。創業時からの甕壺を使い、伝統を重んじた焼酎造りを実践している。
渡邊社長(68)によると、1834(天保5)年には京都から来た先人が油津で商売を展開。海産物交易で財を成すと、一帯に田畑を所有し米焼酎を造ったという。時代の経過に従い、事業の中心は交易から酒造りへと代わった。焼酎造りも芋がメインになった。
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渡邊社長(中央)ら
焼酎造りは一次、二次とも創業時からの甕壺にこだわり、小規模の仕込みを行っている。下部が卵形をした甕の中で対流が起こるため、過剰に手を加えない自然な発酵が可能になる。そんな甕壺型の容器が特徴的で全国的な人気を誇る「甕雫」、「かね京かんろ」など、串間市大束産の紅芋を使った銘柄を多く持っている。
海外展開にも積極的で、現在は米国、香港を筆頭に10カ国に販路を持つ。高付加価値で競争力のある焼酎造りを志向し、無農薬・有機栽培による甘藷や米の生産にも早くから着手するなど、先進的な取り組みで他の蔵元の先導的な役割を果たしている。
渡邊社長は「地域性あふれる商品を造ることが、大手メーカーにはない中小規模の蔵元の強みになる」と信念を語る。
2.櫻乃峰酒造
■伝統芋蒸し甘み凝縮
日南市隈谷甲にある櫻乃峰酒造(橋本彰史社長)は、1877(明治10)年創業時からの製法を脈々と守り続けている。
隈谷の地主が創業。その後、同郷の別の家に経営が移り、さらに1995年、現在の橋本家が引き継いだ。同蔵元の焼酎は専ら地元で飲まれていたが、橋本家はこれを転換。近年の女性の社会参画などを見据え、「誰でも飲みやすい焼酎」造りを追求した。
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酒造の橋本社長(左から3人目)ら
その結果生まれたのが、現在の代表銘柄「黒麹 平蔵」だ。従前の代表銘柄と比べ、麹を白から黒へ、蒸留方法を常圧から減圧に変更。華やかで甘みのある焼酎に仕上げた。
「平蔵」特有の甘みの形成には、創業時からかたくなに守っている製法が一役買っている。その好例が、地元特産の飫肥杉でできた木おけによる芋蒸し。一本一本手作業で処理した白系甘藷を蒸すと、余計な水分が抜けて甘藷の甘みが凝縮するという。また、甕壺を使った一次、二次仕込みは焼酎のまろやかさを引き出す。
昔ながらの作業は手間の掛かるものも多いが「ひたすら丁寧に、手を抜かず愛情を持って焼酎を造っている」と胸を張る橋本社長(44)。「焼酎は人が集まったときに飲むもの。そんな場で広く支持される焼酎を造り続けたい」という。
3.酒蔵王手門
■地元密着し銘柄復刻
日南市北郷町の酒蔵王手門(竹井靖人社長)は、「新生王手門」の言葉を旗印に、地元に根差した焼酎造りにまい進している。
前身は1895(明治28)年創業の門下酒造。飫肥城下町で醸造を続け、1935(昭和10)年に昭和天皇が来県された際は代表銘柄「銀滴」が献上酒に選ばれた。その後は王手門酒造に社名変更し、2005年に北郷町へ移転した。14年に民事再生法の適用を申請した後、HIKARIグループ(都城市)が同蔵元を購入。15年11月から屋号を酒蔵王手門に改めた。
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「以前は地元に軸足が向いていなかった」(西村四男取締役)との反省に立ち、屋号変更後は地域密着型の蔵元を目指している。
その象徴として、以前の代表銘柄「銀滴」を「献上銀滴」「銀滴 復刻版」として復刻した。神武天皇生誕の地とされる高原町で甘藷を生産するなど、ストーリー性豊かな銘柄に育て上げるつもりだ。西村取締役(66)は「往年を知る地元の人ほど、銀滴に『この味』『懐かしい』との思いを抱いてくれる」と語る。
昨年は地域住民を招いて夏祭りや感謝祭も開催。焼酎を振る舞ったり花火を打ち上げたりした。
西村取締役は「地元なくして会社は成り立たない。新生王手門として地元の人とのつながりを深め、愛してもらえる会社を目指したい」と前を向く。
4.小玉醸造
■同級生コンビけん引
若き杜氏の金丸潤平さん(42)、その右腕・工藤洋愼蔵長(42)の同級生コンビがけん引しているのは、同市飫肥の城下町にたたずむ小玉醸造(金丸一夫代表社員)。物づくりへのこだわりと柔軟な発想で新たな挑戦を続けている。代表銘柄「杜氏潤平」は首都圏で高い人気を誇る。
小玉醸造は1818(文政元)年創業と伝わる。もとの屋号は冨士屋だったが、平成に入ると休造状態に。それを2001年に金丸代表社員(70)が引き継いだ。宮崎市から日南市に移住し、ゼロからの焼酎造りに挑戦した。
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引っ張る小玉醸造
多くの蔵元が機械で行う麹造りを、金丸代表社員の長男である潤平さんが中心となり伝統的な手作業で行う。根底には「昔ながらの文化を守り継承したい」との思いがある。「何でも屋」を自認する工藤蔵長も「麹を肌で感じ、杜氏の魂が入る。それが小玉の魂」と熱っぽく語る。
青色の瓶が涼しさを誘う夏限定焼酎のシリーズは13年、市外の2蔵元と共に発売し、おしゃれなデザインが評判を呼んだ。同年の「夏の潤平」には甘藷の新品種「コガネマサリ」を業界で初めて原料に使うなど、新たなことに次々と挑んでいる。
「杜氏潤平」は串間市産の甘藷・宮崎紅を使用。潤平さんは「『紅芋なら潤平』と言ってもらえるようになるといい」。工藤蔵長は「おいしさに自信を持っている」と断言する。
5.井上酒造
■業界初「減圧蒸留100%」
日南市南郷町にある井上酒造(寺田徳男社長)は1983(昭和58)年、業界で初めて減圧蒸留100%の本格芋焼酎「飫肥杉」を発売した。本格芋焼酎は本来、芋の風味が強いものだが、減圧蒸留することで「芋くささ」を薄め、軽やかな飲み口を実現した。
1894(明治27)年創業。2代目の故井上利行さんは、鉄鋼メーカー淀川製鋼所(大阪市)の社長を務めながら、実家である同蔵元の代表社員を兼務していた。同社の社長室で働いていたのが寺田社長(78)だった。「実家を継ぐ人がいない」という井上さんからの辞令で1974(昭和49)年、寺田社長は同蔵元に出向した。
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出向した当時、多くのライバルの中に埋没していたという。そんな状況を打破するため「よそと違う焼酎を造ろう」と開発したのが「飫肥杉」だった。女性を中心に徐々に人気を拡大。今では日南市民の普段飲みの焼酎として、すっかり定着している。
「本格焼酎でありながら爽やか」。一見矛盾する理想を「飫肥杉」の開発で実現し、成功を収めたように、変化や挑戦を恐れない姿勢が社是だ。コンピューターによるもろみの温度管理も、他の蔵元に先駆けて導入した。寺田社長は「嗜好品は環境に合わせて変わっていかないといけない。それが今後を生き残る道」と強調する。
6.櫻の郷酒造
■長期甕貯蔵へのこだり
井上酒造が事業拡張を図って94年に設立し、「兄弟蔵」と言えるのが同市北郷町の櫻の郷酒造。寺田社長が社長を兼務する。最先端の設備による効率的な焼酎造りと長期甕貯蔵へのこだわりが特長だ。
製造場には巨大な機械やタンクが立ち並び、各工程が自動で進められる。特に焼酎造りの肝とされる製麹や1次、2次仕込みは、その温度や湿度がプログラムに基づき細かくコンピューター管理される。少人数で大量の焼酎を造ることを実現している。
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櫻の郷酒造の寺田和弘課長(左)ら
寺田社長の長男で営業課長の和弘さん(46)は「いくら機械化が進んでも、プログラムを打ち込んだりもろみの状態を確認したりするのは人。長年の経験や技術がものをいう」と語る。
原酒は昔ながらの甕で貯蔵・熟成する。甕の所有数は「おそらく日本最多」(寺田社長)の約5300個にも上る。代表銘柄「無月」や「日南発」は3年以上長期熟成させており、角がなく、まろやかな味わいに仕上がっている。
醸造場のそばに体験型ミニブルワリー「焼酎道場」も所有。一般に開放し、焼酎の製造体験や見学、試飲する機会を提供している。
和弘さんは「これからもこだわりを込めた焼酎を消費者に届けたい」と意気込む。
7.古澤醸造
■「芋くさい」は褒め言葉
「醸造の町」とまで称される日南市大堂津。ここで芋焼酎らしさを追求しているのが古澤醸造(古澤昌子代表社員)。古澤代表社員(50)は「『芋くさい』という言葉はうちにとって褒め言葉」と笑顔で語る。
1892(明治25)年創業。当初は焼酎に加えてしょうゆ、みそ、みりんの製造も行っていた。2005年から焼酎の醸造に専念している。
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古澤代表社員(中央)ら
県内蔵元で唯一、土蔵で焼酎を造っているという。創業時からのもので、内部は空調設備なしで仕込みができるほど温度が安定している。甕による一次仕込み、もろぶたを使って細かく温度管理する製麹、自然の温度変化を利用したろ過など、気候に沿った丁寧な焼酎造りを実践。古澤代表社員は「代々『足音を聞かせろ』と言われるほど、麹やもろみの様子を細かく確認している」と語る。
甕とホーロータンクを使い分けて原酒を貯蔵・熟成している。熟成方法や期間の異なる原酒をブレンドすることで、多彩な銘柄を生み出している。
主力「八重桜」は市内蔵元の代表銘柄の中では強く芋の香りや味が感じられる。お湯割りで香りや甘味、うま味を引き出して飲むのがお薦めという。
古澤代表社員は「芋くさい焼酎を求めるお客さんには、他の蔵元が古澤を勧めるほど。うちは芋くささで最も右寄り」と自負をのぞかせる。
8.宮田本店
■少量醸造 優しい酒質
大堂津のもう一つの蔵元・宮田本店(宮田千賀子代表)は、「日南娘」「銀の星」が全国的な人気銘柄になってからも少量の醸造を続け、味を守っている。
創業1804(文化元)年。初代・宮田萬吉が大阪で学んだ酢の醸造を行ったのが起こり。1921(大正10)年に焼酎造り、28(昭和3)年にしょうゆとみりんの製造も始めた。大堂津に並ぶ醸造所で唯一、今も焼酎としょうゆ、みりんの醸造を続けている。
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宮田本店
「日南娘」「銀の星」は今も「レア焼酎」として人気を誇るが、しょうゆやみりんの醸造もあるためおのずと生産量が限られる。加えて「甕の一つ一つに目が届く焼酎造りを続けたい」(宮田代表)との思いもある。昔ながらの甑で蒸した米を使って製麹を全て手作業で行うなど、手間を惜しまない焼酎造りへのこだわりも強い。
宮田代表(57)によると、しょうゆの黄麹が焼酎の麹に影響を与え、他にない独特な優しい酒質を生んでいるという。その酒質が際立つのが「日南娘」で、香りを楽しめるお湯割りがお薦めという。「銀の星」はすっきりとした味わいで、ロックに向いている。
7代目の夫育紀さんが亡くなった後は「7・5代目」を名乗り蔵を切り盛りしている宮田代表。「先代が直接つなげなかった(8代目の)たすきを、山形県で修業中の次男に渡すのが私の義務」と思いを語る。
9.松の露酒造
■「芋らしさ」地元魅了
日南市今町にある松の露酒造(安藤正憲社長)の焼酎は、地元の人たちの晩酌用として長く愛されている。「わが家は代々松の露」「焼酎といえば『松』」といった熱烈な支持者も少なくない。
安藤社長(46)によると、江戸末期には飫肥藩主伊東家から焼酎製造の許しを得た。だが、1954(昭和29)年に49軒を全焼した「今町の大火」で本宅が類焼。同蔵元に関する資料や帳簿が焼失し、正確な創業時期は分からないという。
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松の露酒造の安藤社長(後列左)ら
県内の蔵元としては珍しく、県内出荷量が県外分を大きく上回っている。焼酎ブームを機に多くの蔵元が県外出荷を伸ばした中、地元の愛飲者を優先させたからだ。安藤社長は「うちの焼酎は親子、孫と地元の人たちに長年飲んでもらっている。それを削ってまで県外に出荷しようとは思わなかった」と振り返る。
代表銘柄「松の露」は芋の香りや味わいがよく感じられる。減圧蒸留の普及に伴いすっきりとした味わいの焼酎が増えている中で「芋らしさ」が楽しめる銘柄とあり、熱心なファンが多い。柔らかな飲み口で飲みやすいのも特長だ。
「食事や冠婚葬祭など、人が集まる場に焼酎がある。人と人の付き合いの中で互いの顔を見られるのが、地元で商売をすることの魅力」と語る安藤社長。「(他銘柄に)浮気せず長年飲んでもらっている。これからも支持してもらえる商品を造り続けたい」という。
10.松露酒造
■地下水使い味に深み
串間市寺里の松露酒造(矢野貞次社長)は、昔ながらの濃厚でどっしりとした「焼酎好きが好む焼酎」造りにこだわっている。
同蔵元が位置する姥ケ迫地区の農家19人が株主となり、1929(昭和4)年に「姥ケ迫焼酎」として共同で創業した。矢野社長(73)によると、一般家庭での密造酒造りが盛んだった影響で同蔵元の焼酎はなかなか売れず、ほそぼそとした経営が続いた。株主の一人でもあり、製材業で財を成した矢野社長の祖父・故辰蔵さんが49(同24)年、負債なども含めて同蔵元の経営を引き継いだという。
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シラス台地で自然ろ過された水は質が高く、「姥ケ迫にうまい水あり」といわれるほど。その地下天然水を使い、昔ながらの味わい深い焼酎を造っている。
代表銘柄「松露」は、芋の豊かな香りと力強い味わいが特長。矢野社長は「県南焼酎で一番味が濃いと思う。昔から焼酎を愛飲している人にファンが多い」と話す。焼酎を飲み慣れていない県外客にも受け入れられやすい「心水」もある。
「薄めてもしっかりと味が感じられる焼酎を造っている」とこだわる矢野社長。「割り方や濃さなど、どのような飲み方でも味わえるのが他の酒類にない焼酎の良さ。自分の体や味覚に合った飲み方で楽しんでもらいたい。そうした先に、焼酎という日本の一つの文化を守り続けられればいい」と笑顔で語る。
11.寿海酒造
■紅芋仕込み先駆自負
串間市北方にある寿海酒造(石上昭夫社長)は、同市大束産の甘藷「宮崎紅」を中心に紅芋で仕込んだ銘柄を豊富に扱っている。
1985(昭和60)年、市内の5蔵元が県内で初めて協業組合化して発足した。5蔵元(吉田、石上、國光、玉の露、谷村)はいずれも地元で長い歴史を持つ比較的小規模の蔵元だった。協業化後は精力的に営業展開し、販売網を地元から全国に拡大。販売量を大きく伸ばした。
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石上社長(前列中央)ら
寿海酒造は紅芋焼酎の先駆者的な存在。白系甘藷で仕込んだ焼酎が業界の大半を占めていた発足当時から、地元特産の紅芋にこだわった焼酎造りを行ってきた。
宮崎紅のブランド「ヤマダイ」の甘みを生かした代表銘柄「赤芋仕込み ひむか寿」に加え、製法や品種の違う紅芋焼酎を開発。かしだるで貯蔵した「がんこ焼酎屋」、ベニサツマで仕込んだ「柳井谷の福蔵」などがその代表だ。
2006年には農業生産法人「チアフルカウズ」を設立。約250頭の肉用牛に焼酎かすを与えて飼育。牛の堆肥を甘藷の肥料に用いるなど、循環型の経営を実現している。
石上社長(61)は「個性ある人間が集まり協力し、協業化から30年以上を乗り越えてきた自負がある。事業に関わる人とその家族を幸せにし、地域貢献できる会社でありたい」と語る。
12.幸蔵酒造
■甕壺で少量生産貫く
同市串間の幸蔵酒造(上園田慶太社長)は「近代設備に頼らずひたすら手作り」というこだわりを守り、原料の自然な味わいが売りの焼酎を生み出している。
前身は1919(大正8)年創業の井手酒造。89年、鹿児島県喜界島で酒造業や不動産業などを展開している上園田企業グループが経営を引き継いだ。2003年、屋号を現在の幸蔵酒造へと改めた。
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幸蔵酒造
一次、二次仕込みから貯蔵・熟成まで、一貫して甕壺で行う。100個に満たない甕で焼酎を造るため製造量はおのずと限られるが、上園田社長(51)は「少量でも構わないので個性ある焼酎を生みたい」とこだわりを貫く。
ろ過は手作業で行い余分な油のみを取り除くため、うま味成分を存分に残している。代表銘柄「幸蔵」は芋本来の自然な香りと甘みに加え、うま味がしっかりと感じられる。
「大手メーカーは商品の味のぶれをなくすため、さまざまな要素を引き算して勝負する。うちはその逆で、風味やうま味をたくさん残した焼酎を楽しんでもらっている」と信念を語る上園田社長。「よそにない良い焼酎を造り、焼酎の在り方を世に問うていくのがうちのスタンス」という。
=第1部おわり=
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