畑と音楽と

実家にほど近い団地に引っ越してきてくれたパートナーと一緒に住み始めたのが一昨年の春で、去年の春から団地の敷地内で家庭菜園を始めました。なんとなくネットで調べたセオリー通りに肥料やら石灰やらを撒いて耕して、四週間が過ぎたゴールデンウィーク、パートナーは仕事の繁忙期、とにかく種を播かないことには始まらぬとひとり重い腰を上げ、もうちょっとだけ耕やしてから…と慣れない農耕具を力任せに振り回すこと小一時間で汗びっしょりになった数日後、徐々にひどくなる肘の痛みに近所の整骨院に泣きついて数ヶ月も通う羽目に。初めての種まき（ルッコラ）では細かな種が強風に吹っ飛んで愕然としたことに始まり、水やり加減が今いちわからなくてライブで泊まりに来てくれたキスミワコちゃんに指南してもらったり（水やり量が少なすぎてた）とんちんかんな大小の失敗は枚挙にいとまがなく、あれこれ試行錯誤しながら少しずつで良いと思ってはいるものの、成功より失敗の方がずうっと多い気がしてます。けどやってみる過程で気づいたことは予想を段々と超えてきていて、自分の狭量さをつくづく実感することも含め、畑やってみて良かったなあと実感している次第です。去年の秋からは土のう袋コンポストを始めて、コンポストの栄養分と、コーヒー殻や米ぬかで雑に作ったボカシ肥料もどきで今のところどうにかまかなっていて（肥料の発酵に失敗したのか、鉢植えのミニトマトの成長が何故か豆粒大で止まってしまったりも…）今年の畑の夏野菜はそれなりに育ってくれました。約３ｍ四方の狭いスペースに欲張ってあれこれ植えすぎて収拾がつかなくなっている感もありつつ、幼い頃は団地で共有の庭が遊び場でどこに何の木が植わっているか大体把握してたし、木登りも大得意（特にお気に入りのイチョウの木は引っ越す前に登り納めして心の中でお別れしたほどで、引っ越し後の林間学校で久しぶりの木登り姿に「猿かと思った」と後の親友に言われた）、大人になってからは植物を育てることに苦手意識が強かったけど、そもそも植物がとても好きだったことを改めて思い出しました。土いじりに癒されるとはよく聞くことだけれど、力まかせに土に挑んで肘を痛めた一年半前に端を発し、無意識のうちに自分が長年重ねてきた無理に徐々に気づかされて、長く続けたバイトも辞めて、平坦な道ではないものの、右往左往行ったり来たりしながら結果として自己治癒は進んでいる気がしてます。四半世紀前からの持病も、薬をのむこと以外ろくに対処せずやり過ごしてたけど、だからこそ、よりこじらせてしまってた面もあったんだなと。時代は変わって、ネットや書籍でその気になればいくらでも情報を掘ることができて、たしかにASD傾向はありそうだけどむしろ発達性トラウマ的だったり強迫症未満の面が多々あったり（精神疾患はサラダボウルみたいなものというのは横道誠さんの言ですが、まさに！）、コロナ禍きっかけで続けてきたヨガを通じて、身体面でのバグについての解像度もこの期に及んで上がってきていて。この夏、配偶者となったパートナーには（嫌いな言い方ですが）「感謝しかない」っす。

明々後日の25日金曜日、元職場の川越レレレノレコードで、投げ銭ライブに出演します。ドラムのミッキーとのユニット「みやもとみきひろ」で、共演はねおみいwith下舘直樹。そんな感じで、今、これまでしゃかりきかつ乱暴に頑張ろうとしてはかえって強張ってがんじがらめになってた自分から、そろそろと一歩ずつ抜け出せているような気がしていて、演奏しながら歌うこと、からの音楽そのものに、ようやく等身大で向き合えつつある感触が芽生えているような。ドラムもお人柄もやさしみが訥々とにじみ出ているようなミッキーと、真剣に楽しく演奏できたらと思います。ねおみいさんと下舘さんとまたご一緒できるのも嬉しい限りです。もしよかったらお気軽に遊びにいらして下さいね。

『レレレに癒しの雨が降る』

【日にち】2024/10/25（fri）
【会場】川越レレレノレコード　埼玉県川越市連雀町8-2-2
Tel : 049 - 222 - 0023　https://www.re4.jp/

【時間】19時〜
【料金】投げ銭制

　※お席に限りがありますのでご予約をオススメします。
　　
ライブ中の出入りは自由です。

【出演】
◎ねおみい with 下舘直樹
◎みやもとみきひろ