初心者のためのギミックコインのお話

こんにちは。みやもとです。
最初の記事を何にしようかなぁと思ったのですが、せっかくなので僕の好きなものについて喋ろうかと思いまして、この話題を取り上げます。

僕はコインマジックが好きです。お客さんの前でもそこそこ演じる機会があるのですが、初心者の方ってコインマジックに対するハードルが高いように思います。実際、僕も本格的に手品を初めて4年ほどは全くと言っていいほどコインに触ってきませんでした。

その原因の一つに現象に対して必要な練習量が圧倒的に多いというところが通説として挙げられています。例えばコインの移動を示す場合、テクニック部分だけでも「コインを消す技術、コインを隠す技術、コインを出現させる技術」の3つはほぼ必須になってきます。さらにそれぞれの技術に一定の難易度が伴うので、練習し始めてから人前で見せることができるようになるまで時間もかかります。
その他にも、角度が若干シビア、コインマジックの競技人口もといできる人が少ない、使うコインが高い、ギミックがめちゃくちゃ高いあああああああああああああああああああああああああああああああああ  そりゃ挫折しますわ。

ここで重要になってくるのがいかにモチベを保つかと言った事なんですけれども、思い切って高いコインを買うのがなんだかんだ一番いい気がします(直前の段落から目を逸らしながら)
ま、まあコインってカードと違って消耗しづらいじゃないですか。(しないとは言っていない)長い目で見れば安いもんっすよ。多分。いやどうかな...

とまあ茶番はこの辺にしておきまして、どうしても人前でコインマジックがしたいんだ!!という奇特な方のために、コインマジックをやる上で必須ではないにしろ、持っておくと良いコイン(主にギミック)のお話をしていこうと思います。
主は人前で使っているメインのコインがハーフダラーなので、ハーフダラーの話がメインになります。


この記事を読むのに必要な知識

この記事は、直接タネに触れないよう、略称を使ったり機構には余り触れないようにしています。この記事を完全に理解するにはそれらの知識が必要になります。
ですが、もしそれらが分からなくても、起こせる基本的な現象や僕の使用頻度などを書いていますので、興味を持っていただけると嬉しいです。
また、今から紹介するギミックは、買ったからと言ってすぐ出来るものではないので、「レギュラーよりは簡単に扱えて手順にしやすい」くらいに思っておいていただくのが良いと思います。


レギュラーコイン

どうせ買うなら銀貨をお勧めします。ただし、この記事の場合はあくまでギミックのお話ですので、ギミックの揃えやすさも加味するとニッケルのハーフダラーがいいような気もします。
ギミックの揃えやすさとしては
ニッケルケネディハーフ>>1964ケネディハーフ>ウォーキングリバティ>=バーバー
と言った感じでしょうか。
一緒に使う銅貨や穴あき銭に関しては、各ギミックに合わせて使うと良いと思います。

EPS

コインの増加、減少などを実現できます。僕はよくこれを使ったコインズアクロス(デビッドロスの手順がベース)を人前で演じていて、非常のウケます。
入手難易度としてはそこまで高くありませんが、値段が少し高く、コイン代+5000円前後で販売されていることが多いです。(ショップに寄って前後します。)
近年中国製のものがフリマアプリ等で1500円前後で出回っていますが、レプリカコインを加工したもので余り精度は良くないので余りお勧めできません。練習用には良いかも知れませんが。
また、最近はあまり製造されていませんが、EPされていないものもあり、そちらはレギュラーのみとの併用ができないので注意が必要です。

DF

銀貨を手の中で銅貨にしたり...と言うことができますが、それは手法として直接的なので単発で行うのはやめましょう。
僕は一応持っていますが人前で使用したことはあまりありません。
入手難易度はEPSとそこまで変わらずと言ったところだと思います。値段はEPSよりはだいぶ安いです。(それでも数千円はしますが...)
風希さんがインポッシブルカンパニーからリリースしているファインチューンドなどに人前でできる実用的な手順が収録されているので合わせて買うのが良いと思います。

SCB

シルバー カッパー ブラスの3色のコインを使ったギミックです。このギミックの凄いところは、「3種のコインが2-1で交換される」という現象を実現できるところです。しかも必要な技術が他のコインマジックに比べて必要な技術が圧倒的に少ないです!やったね!!
僕が人前で演じる頻度は「たまに気が向いたら」くらいです。クッソ不思議なんですけど、観客が現象を追いかけるのが結構大変な気もします。
このコインはすごく精密で凄い仕掛けになっているのですが、初見で扱い方がわからりづらいと思います。買う際はテンヨーなど手順付きのものを買うのがお勧めです。
入手難易度としてはちょっと高めですが、ネットで探せば出てくるレベルです。値段はニッケルケネディを使用したものだと1.5〜2万円です。
ただし、これもEPS同様レプリカを使用した廉価版(ただしワンダラー)が存在し、それらは5000円程度で入手可能です。このギミックに関しては、3種のコインのレギュラーが付属し、かつそれらのみで手順を完結出来るため購入してみるのはアリかもしれません。ただし手順がついてこない場合があるので要注意!


スコッチアンドソーダ

銀貨と銅貨を観客が握り込んだ状態でそのうちの1枚を消したり、別の場所に移動させることができます。
値段はニッケルケネディを使用したもので、3000円ほどでしょうか。
観客の手の中でコインが消せるうえ、手渡しも可能なので即戦力になるとは思います。ただし、その後の手順を考えないといけないので要注意。
これも近年中国製のもの(中にはウォーキングリバティのレプリカを使用したものも)が流通しています。あまりにも安いタイプのものはお勧めできませんが、モノによっては使い物になる商品もあります。

STC

お待たせしました。最強ギミックです。
ジョニーウォンが発表したギミックで、コインの増加、減少、移動、変化など様々な事ができます。もちろん扱うためにそれなりの技術は必要ですが、それを差し引いてもお釣りが来るくらいいいギミックです。正規の値段は13000円ほどでちょっとお高いんですが、それを差しいてもまだお釣りが帰ってきます。
あえて欠点を言うなら若いマジシャンみんなやってることくらいでしょうか。(逆にそこで練度が試されるのである意味差別化になるのかも...?)
僕の現場での使用頻度はダントツでトップです。何かやってよって言われて何やろうか困ったらこれをやってます。いつも大体ポケットに忍ばせてますし、これがないと不安で夜も眠れなくなって昼寝しちゃいます。それくらいに良いギミックです。
さて、先程「正規の値段は」と言う含みのある書き方をしました。これまでのギミックコインは、構造が比較的パブリックドメインのような扱いを受けているものが多く(※個人の感想です)、いわゆるクレジットやアイデアの元が曖昧になっている節があるような気がします。(それを良しとするかは置いておいて)
それに対してこのギミックは基礎原理としては昔からあったものの、STCというギミックとしては比較的最近発表されたものであり、他のギミックと比べて「本物と偽物」の区別がはっきりしているようにおもいます。中国製のものは約3000円と安価で販売されていますがおそらく無許可のコピー品のためこの場で推奨することはできません。
一応、STCを扱うコイン加工メーカーが世界に何箇所か存在しており、そこに持ち込んだりすれば銀貨で作ってもらうことも出来るようです。(確かジョニーウォンが公認してるはず...)



まとめ

気がついたら3000文字を超えていました。ひとまず僕が持っているギミックの中で比較的使用頻度が高いものを選びました。(そのためフリッパー等は割愛しました)


結論を申し上げますと、EPSとSTCを買っておけば間違いないです。ニッケルケネディだったらレギュラー含めて2万円ほどあれば揃いそうです。リバティとかだと4万円くらいかかりますが...
これから人前でコインマジックをやりたいよって方やギミックコインは最初に何を買えば良いの?という方の参考になれば幸いです。

それでは今日はこの辺で。ではまた。



参考資料

コインマジック事典

Super Triple Coin 

スリーコイントリック (テンヨー)



追伸
有料記事にするシステムが使えるのか、実験のためにやってみます。
有料記事になってる部分には各ギミックで略した部分の正式名称とかを書いておきますが、多分必要ないと思います。
投げ銭がわりに買ってくださったら僕が喜びます。






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