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採用活動における空中戦へのチャレンジ

プレイドという企業でカスタマーサクセス(以下CS)組織のTeam Headと、HRBPを兼務している宮本と申します。

私がHRBPとして採用や育成の業務を兼務し出して、1年半が経過しました。CS組織においては年間30名ペースで中途採用ができており、入社後のオンボーディングやイネーブルメントも整備したことでCS組織の体制強化にも繋がって、事業KPIであるRenewal Rate(顧客継続率)も上昇傾向にあります。

2024年9月期第2四半期決算説明資料より抜粋

「CS採用がそれなりに上手くいっている」とSNSで投稿すると、いろんな方から「その秘訣を教えてほしい」と依頼いただきますが、ぶっちゃけ採用活動における魔法の杖や銀の弾丸はありません。とにかく神は細部に宿ると信じて、当たり前のことをコツコツ積み上げていく以外に道はないのです。

このコツコツ領域のことを本noteでは「地上戦」と呼んでいます。地上戦における各手段を運用しながら現状維持に満足せず、オペレーショナル・エクセレンスを意識してPDCAを回して改善し続けることが重要です。

地上戦:求人票、エージェントリレーション、スカウト文面、スカウト運用、イベント開催、リファラル促進、会社説明スライド、カジュアル面談、選考面接、オファー面談、オファーレター、採用会食、クロージング etc.

空中戦:採用ブランディング、採用広報、採用マーケティング etc.

私たちプレイドはこの地上戦の強化によって、CS採用のペースを大幅に加速させました。そして地上戦での成果が明らかになったタイミングで、その採用力を盤石にすべく「空中戦」の強化に着手しました。このnoteは約1年間におよぶ空中戦へのチャレンジをまとめたものです。採用に悩む経営者や人事の皆様にとって、少しでも参考になる内容となっていれば幸いです。


まずは地上戦の強化から

経営者や人事の方からいただく質問として多いのが「採用広報って何から始めればいいですか?」というものです。そんなとき必ず私は地上戦の状況からヒアリングします。地上戦が一定レベルに達していないと、空中戦を強化してもあまり効果が出ないからです。

このように採用ファネルとしては地上戦が後工程になるため、地上戦がヨワヨワだと、いくら前工程の空中戦を強化しても採用成功に繋がりません。空中戦を強化するのは、地上戦が一定レベルに達した後です。

地上戦の強化方法の例をいくつか挙げると、

1. 常に求人票を改善して求人媒体やエージェント連携を徹底する
2. 採用目標からブレイクダウンしたスカウト送信目標を運用徹底する
3. スカウト文面のABテストを繰り返してブラッシュアップする
4. 魅力的な会社説明スライドを作成してカジュアル面談等で活用する
5. 選考スピードが落ちないよう評価入力のスタック等をこまめに潰す
6. アトラクトに繋がりそうな選考体験を柔軟に調整する(会う人, 会う場所)
7. 候補者ごとにリッチなオファーレターを作成してクロージングする

…とまあ「言うは易く行うは難し」を徹底することが重要です。
これらの地上戦を全て完璧にする必要はありませんが、40点以下しか取れていないという自覚であれば、まずは地上戦を70点に改善することに集中しましょう。空中戦を考えるのはそれからです。

空中戦強化策①:社内調査(N1インタビュー)

空中戦強化にあたり、私たちがまず着手したのは既存社員のN1インタビューです。採用候補者から広く認知や興味を獲得するために、そもそも我々プレイドのCS職の魅力とは何なのかを探る目的で実施しました。

N1インタビューのヒアリングシート

CS組織のマネージャーやリーダー層を中心に10名ほどから「入社理由」や「仕事のやりがい」等をヒアリングし、取りまとめました。結果的にプレイドのCS職で働く魅力として「ディープサクセス軸」と「事業開発軸」の2軸が抽出できました。

ディープサクセス軸:プロダクトの利活用促進に留まらず、広義的かつ本質的なマーケティング支援を行うことで、顧客の事業成長に貢献できる

事業開発軸:通常のカスタマーサクセス活動に留まらず、事業開発にも染み出していける

空中戦強化策②:社外調査(100名アンケート)

次に行ったのは社外調査です。前章のN1インタビューで抽出したプレイドのCS職の2軸の魅力を具体的な訴求フレーズ案に落とし込み、採用候補者がどのフレーズに興味を持つのかを調査しました。あわせて、そもそものプレイド社の認知度や印象についても調査しました。

調査方法としては、SaaS企業などに勤めるCS職もしくはSales職の計100名の皆様にGoogleフォームでのアンケート回答に協力いただきました。単にアンケートを依頼するだけでは100名も集まらないと考え、Amazonギフト券の謝礼を用意したところ、2日間で100名から実名の回答を得られました。

訴求フレーズの調査結果
認知度・印象の調査結果

調査を行った結果、「採用候補者に訴求すべきフレーズ」を明確にできたほか、他社と相対比較した際のプレイド社の「認知度の低さ」「印象のなさ」を知ることができました。

正直なところ認知度が低いのは想定外でしたが、よくよく考えるとバックオフィス系のプロダクトであれば幅広い職種の方に利用されるため認知を得やすい一方で、我々の扱うプロダクトはマーケティング領域が中心のため、利用される(=認知される)職種が限定的であることもわかりました。

空中戦強化策③:認知度向上のためのコラボ発信

社外調査の結果、認知度に課題があることがわかったので、認知度向上のための施策を矢継ぎ早に行いました。重点的に行ったのは他社とのコラボ発信CSコミュニティ活動です。

コラボ発信の代表例を1つ挙げると、Sansanやビズリーチの皆様と合同CS勉強会を開催し、記事にしていただきました。

CSコミュニティ活動については、自らCSコミュニティを主催したり、既存のCSコミュニティで登壇したり、CS界隈の皆様とのサウナイベントを企画したり、部下のotakeさんといっしょにさまざまな取り組みを行いました。

ちなみにこのnoteを書いている週の金曜日(2024/06/28金)にもCS HACKという日本最大級のCSコミュニティで私が登壇するイベントがありますので、CSの採用やキャリアに興味がある方は、ぜひご参加ください!

空中戦強化策④:面談資料の改善&公開

認知度向上の取り組みを通じてプレイドのCS職を認知された方に、より興味を持ってもらうための施策として、面談資料の改善&公開を行いました。上述した社内外の調査から導き出された採用候補者に訴求すべきフレーズを盛り込んだ資料に改善し、Speaker Deckに公開しました。

資料を公開して拡散するという空中戦の強化のみに留まらず、スカウトやリファラル経由のカジュアル面談時にこの資料を使ってアトラクトしたり、カジュアル面談を挟まないエージェントや求人媒体経由の候補者に対しても、面接時に資料を使ってアトラクトを行い、地上戦の強化にも繋げました。

空中戦強化策⑤:採用キャンペーン

前章の面談資料と、その資料を私が解説する動画(QUICKカジュアル面談)を撮影し、それらの拡散を目的にX(旧Twitter)を使ったキャンペーンを実施しました。キャンペーンの内容は「抽選で10名にCS関連書籍を10冊プレゼントする」というものです。

キャンペーンの応募条件としては、Xでのリポストのほか、登録制のプレイドの採用ページに会員登録する条件を設けました。会員登録いただいた方には、当社のCXプラットフォーム「KARTE」を用いて定期的に採用情報などのメールをお送りするなど、中長期的に接点を持たせていただくことも検討しています。

キャンペーンの導線設計時の資料

…と、意気揚々と準備したキャンペーンですが、いざスタートしてみると応募がとても少なく、抽選どころか応募すれば必ず当たる状況が続いていました。困り果てた私は、キャンペーン終了の4日前に以下のようなポストをしてみました。

するとこのポストが反響を呼び、一気に60名ほどの応募が集まりました。10名以上の応募が集まったことで、無事に抽選ができて良かったです。何よりも実際に抽選で当たった皆さんからの喜びの声が嬉しかったです。

2週間ほど行った採用キャンペーンの効果をまとめると、

・キャンペーン応募UU 60以上
・キャンペーンページ来訪UU 700以上
・X関連ポストのインプレッション総数 400,000以上

という結果でした。本キャンペーンの単発のデータを振り返ることにあまり大きな意味はなく、最終的には今回の一連の取り組みを踏まえて改めて社外調査を行い、認知度や印象の変化を見ていこうと考えています。

最後に

およそ1年間で取り組んできた空中戦の強化策を5つご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

実は空中戦強化には続きがあり、現在6つ目に挑戦中です。勘が良い方はお気づきかもしれませんが、6つ目はこのnote記事そのものです。このnoteがどれほど読まれるかはわかりませんが、まあそんなに読まれなかったとしても、挑戦すること・やり切ることが大事だと自分に言い聞かせ、このnoteを締めたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

プレイドでは仲間を募集していますので、少しでも気になった方はぜひ採用ページも覗いてみてください(←お決まり)

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みやもとかずのり
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