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恩返しのつもりが、半年で38万円の社会貢献になった話。
今日は、私がこの半年ほど月1〜2回ペースで続けている「インタビューのコツをインタビューするオンライン勉強会」について。その仕組みがちょっと変わっていて、かつ「それ、いいね!」と褒めてもらえることが増えてきたので、どなたかの参考になればという気持ちで、ここにも書き留めておきたいと思います。
勉強会の趣旨はその名のとおり、私が「この方のインタビュー体験やインタビュースキルについて聴きたい!」と思うゲストをお呼びして、“公開インタビュー”をするというもの。
始めたきっかけは、私が西村創一朗さんからのお声掛けでおそるおそる1年前に始めたインタビュー特化型ライター養成講座「THE INTERVIEW」の受講生の皆さんから、思いがけないリクエストをいただいたこと。第1期受講後のアンケートに、「宮本さんが実際にインタビューをしている現場を見学させてもらえないか」と熱心にご要望を書いてくださった方がいたのです。しかも、一人ではなく何人も。
もともとこの講座を始めた動機は、「恩返し」。出版業界に入ってほぼ20年、フリーランスとして独立して10年経った節目で、私なりに業界に恩返しできる活動になればという思いからでした。
私は先輩にたくさん教えてもらったおかげで今こうして楽しく仕事ができているけれど、会社を辞めてフリーランスになった今、後輩に直接「教える」「アドバイスする」という経験がなかなかできない。
「これからインタビューやライティングのニーズは急増するはずだから、宮本さん、一緒にやりましょう!」と西村さんが私を講師に指名してくださったことも、得難い縁だと考え、思い切ったのでした(それまで「講義形式で人前でしゃべる」という経験はほとんどなし)。
*講座を始める決意を表明した時のnoteはこちら↓
話を戻します。アンケートに寄せられたご要望を前に、できることならお応えしたいなぁ…と思いながらも、現実的に取材現場に第三者を入れるのは難しい。何か良い方法はないかな〜と考えていた時に、ピンッ!
そうか、私がインタビュアーになるオンライン取材形式の勉強会を開いて、皆さんに観ていただいたらいいんだ! と思いついたわけです。「私自身がインタビュー術を聴きたいゲストをお呼びして、そのワザを根掘り葉掘り伺おう」というコンセプトも同時に固まりました。
ライターや編集者といったインタビューを生業にする方やメディア業界の方に限らず、「聴く力」を発揮して最前線で活躍していらっしゃる方々の顔はすぐに浮かびました。「あの人も呼びたい、この人も呼びたい…」と妄想は止まらなくなり、講座運営キャプテンの西村さんに相談。
ソッコーで「いいですねー!やりましょう!」と賛同いただき、第1回の開催は決まりました。記念すべき初回ゲストは、名モデレーターとして引っ張りだこの西村さんにオファーしました。
この時点では、「本気で学びたい方だけに来ていただきたい」という理由で有料イベントにすることは決めていました。
しかし、開催日の数日前になって、ふと思いついたのです。
これ、チケット収益を寄付するチャリティイベントにできないかな…?
発想のヒントになったのは、ちょうど登壇したばかりだったBeYond Laboさんのオンラインイベントの仕組みです。
noteで書いた「かじとりゲーム」のネタで呼んでいただいたわけですが、主催者代表の二川佳祐さん(現役の小学校教師で熱いコミュニティ活動家!)がコロナ禍で奮闘する地元・吉祥寺の医療従事者と飲食店を支援しようと、「チャリティチケット」を選択できる仕組みを導入されていたのです。
後日、参考にさせていただいた旨を二川さんにご報告したところ、とっても喜んでいただけました。
「学びたい」という気持ちが社会貢献にもなる。
とても素敵な取り組みだなと思い、ぜひ私たちの勉強会にも導入したいと西村さんに相談。
今回も「いいですねー!やりましょう!」と即答が返ってきました^^。
(1)チケット収益のうち、10〜100%を次世代支援の活動をするNPOに寄付する
(2)寄付の割合については、ゲストに選んでもらう(寄付しない分の収益はゲストにお渡しする)
というルールで始めることにしました。
寄付先のNPOの選択は、その都度、ゲストに希望を伺い、「お任せします」という場合には西村さんが以前から支援してきた3keysさん(児童養護施設の子どもたちに向けた学習支援をしているNPO)を選ぶという原則です。
寄付をする分、ゲストの謝礼が目減りすることになるので失礼になってしまうかな?という不安も一瞬よぎりましたが、ゲスト候補として私の頭に浮かんでいた皆さんの顔を思い出し、「いや、きっとご理解いただける方ばかりだ」と迷いは消えました。
実際、寄付に対しては非常に好意的な反応を示してくださる方ばかりで、「100%寄付します」と決めてくださる方も少なくありません(涙!)。
人選は、私が日頃からお世話になっていたり、取材をしたりの経験から「この人の聴く技術は光っている!」と感じた皆さんを。
これまで出ていただいたゲストのお名前を並べてみたのですが、あらためて、豪華過ぎてビックリしています。。。(肩書きはご登壇当時のもの)
5月30日 西村創一朗さん/HARES代表
6月20日 松田紀子さん/編集者、ファンベースカンパニーディレクター
7月6日 北野唯我さん/作家、ワンキャリア取締役
8月7日 浜田敬子さん/ビジネスインサイダー統括編集長
8月27日 田中研之輔さん/法政大学キャリアデザイン学部教授
9月15日 篠田真貴子さん/エール取締役
10月14日 山崎大祐さん/マザーハウス代表取締役副社長
11月20日 岡島悦子さん/プロノバ代表取締役社長
さらに、この記事を書いている日の2日後の11月28日には、あの「こんまり」こと近藤麻理恵さんの世界進出に伴走したプロデューサー、川原卓巳さんをゲストに迎える予定です。
(未発表ですが、この後も素敵なゲストが控えています!^^)
仕事柄、取材のアポ取りには慣れていますが、この勉強会のアポはいつも以上に前のめりになっているのかもしれません。新刊を執筆中だった北野唯我さんからは「よく分からないけれど、宮本さんからやけに熱の入った長文メッセが来たからOKしました(笑)」というありがたいお言葉も。
過去開催の勉強会のレポート記事はこちらから↓
メディアに引っ張りだこの方ばかりですが、「インタビューについて話す」というレアな場を面白がってくださる方も多く、毎回熱量の高い1時間に。それぞれに、さすがこの方ならでは…!という秘技やグッとくるエピソードを惜しみなく披露してくださいました。
浜田敬子さんや松田紀子さんなどメディア業界を代表するスターが登壇される回には、やはりメディア関係者が増えます。浜田さんや松田さんに「インタビューの技術」をきちんと言語化して教えていただけるチャンスなんて、直接の部下にならない限りは得られないですからね! またとない貴重な機会でした。
オーディエンスからの質問コーナーも盛り上がるのですが、誰よりも学び、楽しんでいるのは私です(結果、いつも時間超過になりがち。スミマセン!)。
多彩なゲストとの対話を通じて、インタビューの奥深さや価値を再認識でき、「やっぱりインタビューって面白いし、スキルを磨くほど世の中の役に立てる仕事だな〜」と幸せを感じられるのです(その喜びが画面からも伝わってしまうようで、試聴くださった方から「とにかく宮本さんが楽しそうだった」とよく言われます)。
嬉しいことに「この勉強会シリーズは、毎回参加したいです!」と宣言するリピーターも増えてきました。
魅力あるゲストのお力も借りて、1,000〜1,500円のチケットが100枚以上売れた回もありました。
その結果、何が起きたか。
過去8回の勉強会で、なんと累計38万1,064円もの寄付が実行できたのです!!
<本日時点の寄付先と金額内訳>
認知NPO法人3keys(児童養護施設の子どもたち向け学習支援) ・・・25万円
認定NPO法人かものはしプロジェクト(人身売買撲滅)・・・9万7,274円
認定NPO法人フローレンス(病児保育・障害児保育・ひとり親家庭支援)・・・3万3,790円
とても私一人では達成できない金額です。
皆さんの「学びたい」という気持ちを支援につなげると、これだけの寄付が積み上がるのだと感動しています。
(毎回の寄付手続きやお金の管理をしてくださっているのは西村さんです。感謝!)
この「支援になる学び」のスタイルは、間違っていない。そう確信できたのは、あるゲストから「チャリティイベントだから、いつも以上に告知に力が入ります」という言葉をいただいたときです。
また、他のゲストからは終了後に「価値ある活動に参加できて嬉しかったです。ありがとう」と、逆に御礼を言われてしまいました。
さらには、チケットを購入くださった試聴者から「チャリティイベントだと聞いて、参加を決めました!」という声もありました。
ただのセミナーではなく、社会的に意義のある活動でもあるという付加価値が、ゲストにとっても視聴者にとっても、参加するモチベーションになっている。
そして実際にこれだけの額の寄付ができている。
登壇者もうれしい。視聴者もうれしい。寄付先のNPOもうれしい。主催者の私たちもうれしい。
Win-Win-Win-Winの取り組みができている!と自信を持てた私と西村さんのモチベーションも急上昇!
「当日参加できない人のために録画チケットも用意しよう」「勉強会の様子をレポート記事にして発信しよう」と、少しでもチケットが売れるように力が入るようになりました。
尚、毎回のレポート記事は、私の講座「THE INTERVIEW」の卒業生の皆さんの中から有志を募り、執筆していただいているのですが、「ライティング演習」の機会となるように私が校正・添削をしています(もちろん無償です)。講座のアンケートでいただいた「原稿の添削をしてもらえると嬉しいです」というリクエストにお応えするのと、勉強会の記録を残すのと、二つの目的があります。
学びを支援につなげるこの仕組み、ぜひ他の主催者の皆さんも参考にしていただいて、世の中に広がっていくといいなと願っています。
累計50万円突破、100万円突破!という報告ができるよう、私たちも頑張っていきます!
ご賛同いただける方、インタビューに興味がある方は、ぜひ勉強会にいらっしゃってください♪ どなたでも大歓迎です。次回(2020年11月28日土曜午前10〜11時 ゲスト:川原卓巳さん)のチケットはこちらからどうぞ^^ ↓