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私達は絶対にヨリを戻したりしない/焼き芋で死にかける話
私達は絶対にヨリをもどしたりしない
『we Are Never Ever Getting Back Together』を聴きながらお皿を洗う。
リズムに乗りながら口パクして、「もう恋愛なんてするもんか!」
そんな気持ちが大事。こんな具合でタッパーの油汚れと戦っている。
お皿洗いが終わって、ふとリリース日を見たら2012年だった。この年の日本は消費税8%になって、流行語大賞は「ワイルドだろぉ」だった。
この頃の私は中一になって、隣のクラスの女の子と面識もないのに毎日LINEをする日々を送っていた。
学校が別になってもLINEを続けたが、ちょっとしたことが原因で疎遠になってしまった。
付き合ってないけれど、もう仲良くなれないことは今でも悔いている。
今時の恋愛ソングより、自分が中高生の頃に流行った音楽の方がよっぽど身に染みる。
頭の隅で埃被った音楽をこうして引っ張り出すのはいいものだ。
しかし、棚にしまった思い出ばかり大切するのもつまらない人間だな〜
ちょっと凹む夜だった。
焼き芋で死にかける
私は最近さつまいもにハマっている。
さつまいもといっても食べ方は一つで、焼き芋にしている。
腹持ちはいいし、甘いからチョコを食べなくて済む。個包装の残骸を見て何度自分を叱ったことか。そんな生活とは、おさらばバイバイ。
作り方は簡単
水で満遍なく濡らしたさつまいもをキッチンペーパーで包み、さらにその上からラップを包む。
そして500wの電子レンジで2分、その後200wで12分程度温めればホクホクの焼き芋になる。
しかし、私は一度だけ、14分間ものあいだ500wで調理したせいで、部屋中が煙まみれになった経験があるので要注意。
あのときは本当に死ぬかと思った。火事レベルの煙が電子レンジから吹き出し、台所が真っ白になっていた。
『葡萄が目に染みる』ならぬ『芋が目に染みる』だった。
室内干ししていた服は焼き芋臭がこびりつき、しばらく焼き芋の匂いがする浴室の湯に浸かった。
「昔、おばあちゃんが枯葉で作ってくれた焼き芋を思い出すな〜」
無駄なポジティブさで、部屋中にこびりつくお芋の匂いを楽しんだ。
レンジだからといって目を離すのはよろしくない。
小さい段ボールにさつまいもがゴロゴロ入って1箱400円。食費を浮かすにはちょうどいい。
こたつに入りながら皮ごと食べるのが長谷部流。
やはり冬はいいものである。