指す将順位戦6th⑤masterさん

指す将順位戦もいよいよ5回戦。折り返しが近づきましたね。
今回のお相手はmasterさん。第1期から参加し続けている超古豪です。
私とは第2期、そして第5期でも対局があり、1勝1敗の戦績です。

回想

第2期の棋譜は見つけられませんでしたが、前期のことはよく覚えています。第5期、私にとって3期ぶりの指す将順位戦。その初戦でした。
▲石田流(miya)対△引き角(masterさん)と決まり、駒も十分さばけて先手勝勢。あとは後手玉をつますだけ、といった状況。
当時の私は正直「もう逆転の目も無いし投了してほしいなー」などと指す将順位戦にあるまじき腑抜けた気持ちで指していました。
すると案の定、急転直下の逆転負け。攻めるのか受けきるのか、一貫性も読みも無いまま指していたのが原因です。本当に悔しく自分への怒りが収まらない対局でした。将棋をなめきってました。

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敗戦を越えて

そんな経験を糧に、まずはお相手の棋譜あさり・・といっても指す順以外の棋譜が出てこず・・。初手48銀に強いこだわりがありそう、くらいしか分かりませんでした。ここまで対局が少ないとレートの数字もあてになりません。
ということで、自分の対局から引き角相手の棋譜をいろいろ洗い出し勉強しました。変化球を投げる気はありません。お相手も待ち構えているであろうところにど真ん中ストレート(石田流)を投げ込みます。

対局開始

想定通り▲早石田(miya)-△引き角(masterさん)と奇しくも前期と同じ戦型になりました。しかし後手の指し方が変わっています。研究されてる嫌な感じを覚えながら駒がぶつかりました。

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この局面で私の最初のミスが出ました。選択したのは▲74歩。△同金は▲31角成~▲53桂成、△同銀は▲73歩~▲64角、△75歩と△65金は▲73歩成でさばけるので十分という読みでした。ソフトが示す正着は▲83銀。捌きを目指す先手にとってはなんとも指しにくい手です。
実戦は△75歩▲73歩成△同桂▲同桂△同飛▲26飛と進みました。

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確かに小駒は捌けましたが、特に角の処置が難しくなっています。この局面で評価値は-500。体感でもやや苦しいですが、後手玉の薄さに願いを込めて逆転を狙います。数手進んで次の局面。

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いかにも何かありそう、というかここで勝負手を指さなければ先手に勝ち目はありません。指した手は▲65桂。評価値が-1500となりましたが、評価値よりも局面の複雑化を目指しました。以下△同金▲53角成△同銀▲74歩△同飛▲63角で下図。

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感想戦では△71飛で先手が困る、という結論でした。
本譜では後手が既に秒読みだったこともあり△52銀▲74角成△78とと進み、ついに逆転に成功します。

着地

勝勢を保ったままの終盤。下図はいかにも先手が勝勢、後手に逆転の目はほとんどないように見えます。

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ここで脳裏によぎる前節の光景。まさにこういった局面から大逆転負けをくらったことを思い出し、気を引き締めます。
△55桂を見て、秒読みながら以下の手順を読めたのが我ながら勝因かなと思います。以下、▲25香△31桂▲67馬△同桂成▲23香成△同桂▲同飛成△同玉。王様を引きずり出すことに成功しました。

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ここまでくればあとは寄せるだけ。▲35桂△24玉▲36銀△25香▲23金△34玉▲41龍。これで必至で勝ちだと気が緩んだ次の瞬間

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△75飛。なんだこの手。
いや指されてみれば45金を防ぐ手だというのは分かりますがまさか秒読みでこんな手を絞り出してくるとは・・

焦り

全く読みに無い手が飛んできて頭が真っ白に。
miya脳内「▲56角?△44玉で詰むの?55に出られたら終わりじゃ・・ならとりあえず▲42龍?いやそれ△同銀で玉の逃げ道が・・」24「ピッ。ピッ。」miya脳内「え、やばい時間無い。え、また負けるの」
角も金も龍もパッとした手が見えない。なんかないかと駒台に目をやると1番下に1枚、眠っている駒がありました。

▲65歩

これが本譜最後の一手になりました。
実は▲56角△44玉には▲45金から詰みますが、これが見えていなかった私にとってはまさに一歩千金でした。

最後の最後まで何があるか分からないのが24、指す将順位戦の怖さであることを再認識しました。

次戦のお相手はうぇいつうさん。またも強敵ですがしっかり準備をして臨みたいと思います。

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