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082.しかめ面をしてよくなることもない。

お疲れ金曜日。湿気を含んだ風を感じながらグーンと伸びをする。
曇り空の合間から見える薄青の空が嬉しくて微笑む。
シェア畑のきゅうりは3日間でオバケきゅうりへと変貌していた。思わずわひゃーと声をあげる。支柱が緑なことも相まって、うまく隠れていたようだ。
とれたてのトマトは熟していて甘い。
雨の合間、つかの間の光を浴びて育ってきたのだ。

***

太陽と青い空を欲する。
目に入る光が好き。
目をギュッと閉じた時に浮かぶ斑点みたいな赤や青や黄色の光のようなもの。
それが必要なのだ。

小さい時には見えていたのに、今じゃ見えないもの。
そんなもののひとつに「ケセランパサラン」がある。

フワフワ丸いタンポポの綿毛みたいな不思議な物体。
そうだ、子どもの頃には何度も見ていたんだ。気づいたら見えなくなっていた、存在も忘れていた。

あるもの、みえるもの、みえないもの、みせたいもの。
こうありたい姿、思ってほしい姿、シニカルな自分、あたたかい自分。
ふわふわしてるもの、空に浮かぶもの、地面に着地するもの、願わくばそこから芽がでるもの。

そんな自分で在りたいと願う。

***

良いも悪いもなく、泣いても笑っても怒っても喜んでも流れるもののごとく。
あ、喜んでるな、悲しんでいるな、そんな感覚とともに味わい、手放す。

「この世界はすべて夢なのでは」どこかでそう思っているのかもしれない。
なんという空。今日も世界は美しい。







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