「オレンジ隊のお兄さん」から一年の長々とした話
オレンジ隊のお兄さん「恋愛」
今日で「オレンジ隊のお兄さん『恋』」を支部へ公開してから一年になります。
彼らは、私がまた筆を執るきっかけをくれた存在です。
今まで書いた作品のどれもが宝物ですが、彼らは特別、愛しい作品です。彼らを作り上げたのは私ですが、彼らが今を歩いているのは紛れもなく当作品を読んで下さっている皆さんのおかげです。
1年経った今でも、心優しいメッセージや感想、時々あげるssへのご反応を頂けることに感謝の気持ちは尽きません。
長くなりますのでご興味のある方はどうぞ夜長にでもお付き合いくださると幸いです。
私が初めて自分で筆を執ったのは、中学2年の頃です。きっかけは当時クラスメートの中で流行っていた、今で言う「夢小説」でした。友人が、「自分の好きな先輩とこうしたい」「こんな風になれたら」と楽しそうに話していたことから、その女の子と交友の深かったクラスメートで「交換日記」のように始まった「妄想」がスタートです。
腐女子になったのは12歳だったので、それより前だったのですが、実際にBLで小説を書き始めたのは、高校生になる頃だったと思います。所謂「ナマモノ」ジャンルでした。
当時のナマモノは、はっきり言って今と比べると検索避けが徹底されていました。作品を見る以前に、サイトを開く時点で「パスワード請求」が必須だった場所が殆どだったり、そのジャンルを本当に深く知っていないと分からない鍵をかけていた場所ばかりでした。今でも時々ナマモノを見に行きますが、時代の流れは変わるもんだなあと思っております。それはそれで構わないんですが。いや、構わなくはないんですが。それに関してはまた別の日にってことで。
今までBLで小説を書いて長居をさせて頂いてきたジャンルとして、支部へ投稿していないものも含めれば、
忍者(カカサス)
マギ(シンジャ)
2525(歌-dscr,実況-sp,brzi)
10932(恐竜-弾斬)
刀剣(兼堀)
松(おそチョロ)
でした。
本格的にBLを文字にし始めたのは、マギのシンジャがきっかけです。
イベントに初めて印刷所様へ頼んで刷って頂いた本を持ち込んだ時の感動は今でも凄いです。
元々私、べらぼうに機械音痴で。
これ以上ありませーん!!ってくらい色々なサイトを見ても、余白とは何なのか、本文を作成するにあたっての断ち切りサイズは実際の用紙サイズから削るのか、とか、もう本当、てんてこまいだった時期が懐かしいです。
表紙を当時、作品を読んで下さり、感想を下さった絵師さまへお願いをして作成していただき、手元にやってきた完成本を開いて、ああ、私、これを会場でちゃんと売れるんだろうか、と緊張して東京へ足を運んだ記憶も今では懐かしい。
何度か筆を置いた頃があります。
某ちゃんねるでの、ナマモノサイトの一斉晒しが発生した時。
作品から繋がったご縁と、上手く噛み合うことが出来ず、疎遠になった方々が多くなった時。
自分の作品の良さがちっともわからなくなった時。
「宮間ちひろ」という物書きは、非常に扱いにくい人間だと思います。私が他人なら多分積極的には絡みに行きませんと言いたいところですが私は本人なので断言することも出来ないですね。
昔から、他人に嫉妬しやすい人間です。
「羨望」をして、「何故この人はこんな素晴らしい作品を作り上げることが出来るのか」「何が自分と違うのだろうか」と思うタイプで、
自分が書き上げた作品の後に、自分の作品と方向性が類似した作品を見かけるのが苦手なので、ハマったジャンルの同じカプの小説は「敢えて見ない」ようにしています。
執筆中は特にインスピレーションを受けやすい人間なので、まったく見ません。見なかったんですよ。
それが松に来て変わってきている自覚があり。
TwitterのTLで流れてきた作品をそわそわしながら見に行って、笑って、泣いて、そわそわしてを繰り返して、そっとブックマークをする。
そんな習慣、正直それまでのジャンルではほとんどなかった経験です。
嫉妬しやすかった人間が、素直に他の方の作品を見て感動したり、率直に素敵だと思えるようになり、小刻みに震えながら感想をお送りするようになりました。
オレンジ隊のお兄さんは、
私が私の作品をはっきり「好きだ」と言える背中押しをしてくれた作品になります。
久しぶりでした。
このネタで書きたい!資料を漁らなければ!
このシチュエーションは絶対入れたい!
そんな好奇心を感じて、私生活に執筆時間を取り入れたのが、本当に久しかったんです。
私、自分の作品が好きなんです。
そりゃ確かに、公開したからには、できるだけ沢山の人に見てもらいたい気持ちは大いにあります。
でも、感想を頂けること、いいね、をしてもらえることが、どれほど貴重で、有難いことなのかも知っています。
実際松へ来て、筆を折るような事があった頃、
お話を聞いてくださった方々、感想を下さった方々がいなければ、私は今、筆を置いていました。
他の方と比べて、私は「文学小説」や「商業誌」を見ない方の人だと思います。
なので好きな作家さんは、と問われましても、ちょっと慌ててしまうんです。
それなのに、と言われたらそこまでですが、
それでも私は「文字を練って打ち込む」ことが、大好きです。
これからも、好きでい続けたい。
グッズは集めない主義でした。
いつ冷めるか分からないジャンルのグッズを集めるのは勿体ない、と思ってしまっていたので。
それがなんということでしょう、部屋が徐々に松で侵食されてます。幸せです。
松へ来てから、おそチョロにハマってから、
私の物書きとしての価値観が大きく変わりました。おそチョロってすごい。
しがないおそチョロ物書きの話です。
もし、素敵な作品に出会って、思いの丈を心の中で浮かべることがあったら、是非その作者様へ、お気持ちを伝えて差し上げてください。
語彙力なんて関係ないんです。作者は、感想一つで、ずっとずっと続く意欲と、また新しいものを生み出す勇気を頂けるんです。
言葉は矛にも盾にもなりますが、好きな気持ちは、作者にとってそれ以上のものはありません。
きっとそれは創作をしている全ての方に共通するのではないかと思います。また、作者は、永遠にそこにいるわけではありません。
いつ、何があって、そこを後にするかというのは、作者本人様も予測はできないんです。
矛に穿たれて、立ち上がれなくなった時、そこから這い上がることが出来なくなった時、ふと、ここが最後かと思い立った時、作者様というのは、こつぜんとその場所から身を引く場合だってあります。
どうか、好きだという気持ちは、作者様にお伝えをしてください。
糧になりますから。絶対。
ぐだぐだと長くなりましたが、
改めまして、「オレンジ隊のお兄さん」から「宮間」を知ってくださった皆様、他作品も、と立ち寄ってくださっている皆様、前ジャンルから優しく背中を押してくださっている皆様へ、多大な感謝を。
9月の東京のイベントに、彼らの新刊と、botのログを小説にした新刊、Twitterにて企画として上げさせて頂いた「おまわりさんと売春少年」を持っていけたらと思っています、が、
私生活が大きく変わる1年になる為、もしかしたらちょっとまた予定が変わるかもしれません。
その際はBOOTHにて頒布をさせていただければと思います。
おそチョロはいいぞ
ありがとうございました、宮間です。
平成31年3月22日
宮間千紘